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焼き菓子

【二次元創作SS】【黎翔×夕鈴】【バイト妃原作より】
-*-*-*-*-*


陛下はよく献上品のお菓子を夜私の部屋に来るときによく持ってきてくれる。
今日陛下がお菓子を持ってきてくれた時は、そのお菓子を食べながら一緒にお茶を飲む。食べているとき献上品のお菓子はどうやったら作れるのかなとか思ってみたり、頬が落ちそうになるくらいの美味しさと甘さに思わず唸る私をみて陛下はいつもニコニコしながらお茶を飲んでいる

今日陛下が持ってきてくれたのは小麦粉と卵を混ぜて焼いた生地の中に小さく切られた干した果物がたくさん入っている焼き菓子だった。

「陛下、これは…?」
「んー 名前はよく分からないけれど異国のお菓子だって。老師は特に問題無いって言っていたから大丈夫だよ?」

そう言われて一切れ何の疑いも無く口に運ぶ。

一口食べて口の中に広がる味は、甘さの中に少し苦味があって、でもそれが干した果物やお菓子事態の甘さで中和されるそんな味だった。中に入っている干した果物を噛めば噛むほど甘みが出てきて美味しいけれど、この少し苦い味は苦手だと思いながら、せっかく持ってきてくれた物だからと我慢しながら差し出された分は頑張って口に運ぶ。そしたらなぜか目が回ってきた。思わず目に手を当てると陛下の慌てた声が聞こえてきた。


「夕鈴、大丈夫?」
「はぁ・・・ い・・・ 大丈夫です・・・」

献上品のお菓子を一緒に食べながらお茶を飲んでいたら、椅子の上で急にフラフラし始めた夕鈴を慌てて受け止める。
僕は先にお茶を飲んで、持ってきた菓子をまだ食べていなかったから気が付かなかったけれど、その菓子は酒の匂いがしていた。
老師に確認させたとき問題は無いと言っていたから気を抜いていた。まさか菓子に染み込ませられていたこんなに僅かな酒で酔うとは思わなくて、失敗したなと思いながら夕鈴を抱き上げて僕の膝の上に夕鈴を乗せて長椅子に座ると夕鈴が肩に顔をうずめてきた。ほのかに香る夕鈴の香りに少し心が揺らぐ。その心の乱れに合わさるかのように夕鈴は僕の方に顔を摺り寄せてくる。

暫くそのままで居たら夕鈴が何かを話始めた



「へいか、お願いがあるんですー」

「お願いって何?」

「欲しいものがあるんですー」

「何が欲しいの? 新しい宝飾品か何か? それとも、異国の料理の覚書?」

めったにないおねだりに少し吃驚しつつ夕鈴の顔を見ると、離宮で酒を飲まされ酔った時の目をしていた。
酒に酔っているとは言え、普段言わない我侭を言ってくれるならたまにはこっそり飲ませようかなんて考えながら頭をそっと撫で次の言葉を待っていた。するとまったく予想していなかった事を言われて、体の動きが止まった。


「陛下の髪を触ってみたいんです!」

夕鈴、それは欲しい物じゃなくてやってみたい事だよと内心思いつつ「触っていいよ」と答えるとぎこちない動きの手が僕の髪の毛を撫でるように滑っていく。誰かに頭を撫でられるなんて何年ぶりか分からない。でもその少しくすぐったい感覚は嫌じゃない。細い綺麗な指をした夕鈴の手が何度も何度も僕の頭全体を滑っていく。滑っていく途中「うふふ、可愛い」なんて言われると心臓がありえないくらい脈打ってしまっていて、夕鈴が膝から落ちないように抑えている手が触っていけない所に動いてしまいそうでぐっと堪えていた。

それから暫く夕鈴にずっと頭を撫でられたままで「サラサラでさわり心地いいですー」とか、頭に少し顔を寄せられて「いい匂い」なんて言われるたびに揺さぶられる心を何とか鎮めていた。揺れ動く心をなんとか鎮めよう、静めようとするけれど、やがて我慢が出来なくなってきたから、夕鈴が僕の頭を撫でている間は夕鈴の頭を撫でるのは許されるのかもしれないと思い、そっと頭を撫でてみた

「君の髪もさわり心地いいし、サラサラだよ?」
「うふふ、ありがとうございます」

やがて夕鈴は両手で僕の髪の毛に手を絡めてきて「かわいい・・・」なんていいながら頭全体をぐしゃぐしゃと撫でてきた。

「夕鈴、やめて髪が乱れちゃうよ」
「後でちゃんと直してあげますからー」

少しだけ言葉で抵抗してみるけれど、後で直してくれるというからそのまま夕鈴のさせたいようにさせてみた。ある程度僕の頭の全体を撫でると今度は乱れた髪を直すような仕草で夕鈴の手が僕の頭を滑っていく。やがて夕鈴は僕の頭を撫でるのを止めて顔を僕の肩に摺り寄せてきたから、僕も夕鈴の頭を撫でるのを一旦やめ、片手で夕鈴の髪を少しすくって毛先を指でクルクルまわして見た。

「あぁー!!!」

急に顔を上げて叫ばれて、何かまずい所でも触ってしまったのだろうかと一瞬吃驚する

「陛下、私もそれやりたいです!」
「え?」

僕の耳の前辺りに垂れている髪を片方、夕鈴の手がすくって行って、何時も僕がやるみたいに夕鈴はクルクルと毛先を回し始めた

「うふふふふ」

笑顔で僕の髪の毛をクルクル回しながら遊ぶ夕鈴を見て僕は完全に動きと思考を止められてしまった。

「陛下は・・・ 私の髪の毛を触るとき何時も何を思っているんですか・・・?」
「え・・・」

返答に困っていると今度は僕の背中に夕鈴の両手が回ってきて、その手に少し力が入って抱きしめられる。顔は勿論僕の肩の上
そのまま夕鈴の髪を触る理由を何て言おうか考えていたら夕鈴から気持ちよさそうな寝息が聞こえてきて少しほっとする

「はぁ・・・」

ため息をつきながら夕鈴を寝台に寝かせ、よく眠っている事を確認するとそっと部屋を出た。
夕鈴の髪の毛を触っている理由なんて、本人には聞かせられない。そして今度は夕鈴に渡す菓子は少しも酒が使われていない物を持っていこうと決心した。








リクエスト「夕鈴が陛下を犬可愛がりするお話」を元に書いたお話

リク主さんから「バイト妃設定で読みたいけれど、本誌を読んでいると無理そうなので、お酒飲ませちゃうとか本物夫婦でとかはお任せします」なんて言われたので、ただお酒を飲ませるだけじゃつまらない、じゃあ酒ケーキでも食べさせて見るかと



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