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幸運の味



【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【原作寄り、未来夫婦どちらでも】

-*-*-*-*-*


 どうしても下町に2、3日戻らなければならなくなって李順さんに宿下がりをお願いすると、今政務が詰まっているから陛下に抜け出されるのはどうしても困るから許可出来ないと言われて2人でどうしたら陛下が抜け出さないか考えた結果、ある結論にいたってその準備が終わってから夜中こっそりと王宮を抜け出した。


 特に何時もと変わりない朝、自室で目覚めて何時もどおりに着替えて今日の予定を言いに来た李順がくる。夕鈴と一緒に朝餉を取ろうと思って部屋に来るようにと李順に言うと、夕鈴は宿下がりしたと言われて吃驚した。あわてて部屋に行ってみると確かに夕鈴はいなかった。
涼しい顔で付いてきた李順にどういう事か説明を求めると、どうしても戻らなくてはいけない用事ができたと手紙が来て実家に戻ったと言われ、それから自室に戻りながら王宮をどう抜け出そうか考えていると、李順から一つの小箱を差し出された。
夕鈴からと言われて小箱を奪い取るようにして受け取り、中身を開封すると手紙と紙に包まれた小さな物が入っていた。

「2、3日実家に戻らなくてはいけない用事ができたので戻りますが陛下はお仕事を頑張って下さい。一緒に入っている物は疲れたときに開けてくださいね。」

そう書かれていて夕鈴が仕事を頑張って下さいと言うなら頑張るかと王宮を抜け出さないで仕事をする事にした。
一応李順に確認すると浩大も付いて行っているので安心してくださいとまた涼しい顔で言われて小刀を投げつけたい気持ちになる。ひとまず包みを懐に仕舞い、朝餉を取ると夕鈴がいないだけの何時もの日常が流れ始めた。

午前中の政務と昼餉がおわり、気分転換に庭を歩くと花が目に入る。あの花を夕鈴にと思って思わず手を伸ばすけれどそういえば実家に帰っている最中だったと摘むのをやめた。ちょっとした事で夕鈴の事を思い出してしまうと同時に、今朝貰った包みの中身が気になりはじめ、懐から渡された物を取り出す。
包まれている紙を開けると中に入っていたのは煎餅のような固い生地が半月に成形されていて、半月を無理やり真ん中でちょっと無理に曲げた焼き菓子。
一口で食べるのは大きいから四阿に移動して座ってから菓子を割ると中から紙出てくる。

「お疲れ様です。疲れたときには甘いものが一番ですよ」

小さい紙一杯に夕鈴らしい綺麗な可愛い文字が書かれていて、思わず何度も読み返した。疲れたときって言っていたのはこういう事かと小さく笑うと手紙を懐にそっと戻して甘いけれど、少し苦い思いがするお菓子を食べまた政務室に戻った

その日の終わり、李順からまた今朝と同じ小さな箱を手渡される。

中身を見るとまたあのお菓子
今度は何が書かれているか楽しみにしながらその場でお菓子を崩す

「一日お疲れ様でした。ゆっくり休んで疲れを癒してください」

内容を読んで手紙だけを懐に仕舞い込み自室に戻る。戻る途中の月明かりに照らされる回廊を歩きながらこのまま下町にいる夕鈴の所に行こうかと思ってしまうけれど、先ほど李順から「夕鈴殿に一日陛下がお仕事を頑張ったら渡してくださいと言われております」と言われたから里帰りの期間中、仕事を真面目にすればあのお菓子と手紙を渡されると思うと下町に行くことも出来ない。
自室に帰ると小さな箱を用意させて夕鈴からの手紙を入れて、寝台の近くの卓の上において置いた。

次の日の政務が終わると李順が小さな箱を僕に渡してくる。
今日の手紙は何て書かれているか期待しながらお菓子の形を崩して中身を取り出す

「今日はいい天気でしたね。今宵は星が綺麗に輝いているでしょう」

確かに今日はいい天気だった。政務室の窓から見える空が青かったなと思いながら机に座ったまま窓に目をやると星が綺麗に輝いている。
夕鈴は実は王宮にいて、僕に渡される直前にこのお菓子を作っているのではないかと思ってしまう。
李順に聞くと「何を言っているのですか。本当に里帰り中です」とため息混じりに返され、夕鈴が傍にいるという夢から現実に戻る。
割ったお菓子をその場で食べてから自室に戻るとまた小箱に手紙をしまい込んだ。

それから夕鈴が戻ってくるまでは一日の終わりに渡されるお菓子が楽しみになっていた。

「毎日同じお菓子ですみません。戻ったらまた何か作らせてください」

小さい紙に書かれる文字をみてますます夕鈴が恋しくなってきた。きっと僕が下町に行かないようにという牽制の為に準備されたお菓子だろうけれど、それが逆効果になってしまっている。でも下町に行ったら毎日渡されるこのお菓子がすべて僕の所に来る事が無くなると思うと、王宮を抜け出そうという思いは何処かに消えていく。

明日、夕鈴が戻ってくる予定だというの日の夜に渡されたお菓子の中には

「お茶とお菓子をお楽しみください」

なんて書かれていたけれど、君が入れたお茶以外は飲む気はしないよとため息を付く。
次の日は夕鈴が戻ってくる日。書簡の山を夕鈴が戻ってくるまでに崩そうと必死になっていた。書簡の山が消えた辺りで李順から何時もの小箱を渡され、何時ものように小箱の中のお菓子を崩して中身を取り出す

「ただいま戻りました。私の部屋でお茶を淹れてお待ちしております」

そう書かれていて手紙から李順に顔を向けると

「お疲れ様でした。今日の政務はこれで終わりです」と言われお菓子を食べることを忘れて手紙を手に後宮に向けて走り出した。
陛下! と李順の声が聞こえた気がしたけれど、そんな事より夕鈴に会いに行くのが大事だったから全速力で走る。夕鈴の部屋は後宮の奥、もっと王宮に近い位置ならいいのにと思いながら走り、夕鈴の部屋につくと急に現れた僕に驚く侍女や女官の事は無視して夕鈴に抱きついた

「お帰り」

人払いの仕草をしながらそっと呟く

「陛下、ただいま戻りました」
「何をしに行っていたの?」
「ふふ、何でしょうね? ひとまずお茶にしませんか?」

夕鈴はそう言いながら僕の腕からすり抜けてお茶の準備をしに行った
卓で座りながら待っていると、お茶菓子として今まで毎日出されていたお菓子が二つ用意されていた。

「夕鈴これは?」
「このお菓子は本来中におみくじを入れてその日の運勢を占うのです。一日一通手紙を残してもよかったのですが、何となく陛下に宛てた手紙が誰かに見られるのが嫌で・・・」

お菓子に包めば誰にも見られないと思いました。袖で顔を隠しながらそんな事を言う夕鈴は卑怯だと思う。

どちらか一つ、選んでください。と言われて一つ選んでお菓子を崩すとまた手紙が出てきた。そこにはただ二文字「秘密」と書かれていて、どういう事か聞くと「下町に戻っていた理由は秘密です」なんて言われた

夕鈴に秘密と言われてしまうとそれ以上は聞き出す事はできなくなる。
ふと、お皿の上に残るもう一方に何が書いてあるか知りたくなり、もう一つに手を伸ばすと夕鈴はそれを持って慌てて何処かへ逃げて行ってしまった。一人残された夕鈴の部屋、淹れて貰ったお茶を一気に飲み干すと逃げた夕鈴を追いかけるために部屋から出る。
もちろん「秘密」と書かれた紙を懐にしまってから。










リクエストは「フォーチュンクッキー」でした♪


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