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すれ違う願い ―前編―

こちらは『五色の灯篭』にて夕鈴の本当の願いが伝わらなかったらという
テーマで書いた物になります。


【二次SS】

-*-*-*-*-*

七夕の夜の数日後に君が出した答え

それに僕も従った


でも・・・ やっぱりあきらめきれない僕がいる



「お世話になりました」

そう言って深く礼をする。
目の前にはかつての上司
すこし離れた場所で、彼は私をじっと見ている
これ以上はこの夢から覚められなくなる。苦渋の決断だった
この国のために、なにより彼のためにこれが最善の結論
彼と言葉を交わすことなく王宮に背を向ける
あの日陛下から送られた楊梅の枝を持って私は下町へと帰る
彼が心の中で叫んだ「行かないで」という言葉は空に解けていった



夕鈴を見送り李順がこっちを向く前に王宮に向かってあるき出した
狼陛下は・・・ たとえ誰であろうと涙を見せることはできない
天気は雨、涙を隠すのにはちょうどいい
足は自然とあの日の四阿へと向かって行った

四阿で夕鈴の事を思い出す。夕鈴の選択が否と聞いたとき
意地悪だと思いつつ一つだけお願いをした「僕の事を忘れないで」と。

浩大が顔をだしてくる
「へーかー・・・ お妃ちゃんは無事家に戻りました・・・」
「そうか」
「ねえ陛下、本当にこれでいいの?」
「・・・ここは夕鈴が生きていく世界じゃない」
「・・・・」

本当は夕鈴にはずっと傍に居てほしかったけれど
その願いも永遠の夢となった


雨の中、歩き出す 涙を隠すために


 お妃ちゃんが居なくなっても王宮はいつもの日常が流れていく
いつもと違うのは・・・ 陛下が朝から酒を飲んでいる事くらいか

「へーかーそろそろやめないと体壊すよー?」
「・・・・うるさい」

飲まないとやっていられなかった。昨日あたりから何度も李順が
止めに来たが無視して飲み続けている

「まったく・・・ お妃ちゃん帰さなきゃよかったじゃん」
何度も浩大と李順から繰り替えされた台詞

「ほっとけ・・・ 私はこのまま独りでいる」

浩大はため息を一つつくと何処かへ消えていった


次の日も相変わらず飲み続けていた。
浩大がまた顔を出す

「へーかまだ飲んでるのかよ。いい加減にしろよ」

自分自身の奥底から笑いがこみ上げた。笑いが止まらない

顔に衝撃が走った。
「いい加減にしろ! お妃ちゃんは昨日ずっと雨の中王都の外れの
川のほとりでうずくまってたぞ?」
「・・・・」
「声を掛けたら「陛下!?」って言ってたっすよ? お妃ちゃんは
陛下の事・・待っているんじゃないのか!?」

待っている? 夕鈴が僕の事を待っている?
ばかな、夕鈴が出した答えは否だった

「あの七夕のときお妃ちゃんはどうして赤い灯篭を選んだと思う?
陛下の目の色だからって言ってうれしそうに笑ってた。陛下だって
なんで黄色の灯篭を選んだんだよ! お妃ちゃんの髪の色に似てるから
って言っていたじゃないか!」

浩大は続ける

「俺は陛下の道具だ。でもこの道具は感情を持っているんだよ!
主人の幸せを、お妃ちゃんの幸せを願っていちゃ悪いかよ!!!」
もう一度浩大から殴られる それがスイッチだった
急いで夕鈴の所へと走り出す。
夕鈴が王宮から出て行ったときから降っていた雨は
ようやくあがり空には虹がかかっていた


すれ違う願い ―後編―

→すれ違う願い前編番外編 真心の願い
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