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赤い飴 3


【二次元創作SS】【黎翔×夕鈴】【本物夫婦】【大人風味】

if設定:夕鈴は何処かの国の皇女です。

-*-*-*-*-*

立后式が終わった夜の日私の部屋に来ていた陛下に、ふと疑問になっていた事を何時ものように一定の距離を保ちながら聞いてみる。

「どうして、貴方の正妃に私なんかが選ばれたのですか――?」
「・・・・・・どういう事?」
「国に居たとき、陛下の所には縁談が星の数ほど寄せられていると聞きました。他国の援助が必要なほどの弱小国の皇女である私よりも、もっと強国の皇女とか、国内のしかるべき家の子女を迎え入れるとか・・・ 選択肢は一杯あったはずです。その中から私を選んだ理由はなんですか?」

椅子に座っていた陛下はゆっくり立ち上がると、怒った顔をしながらゆっくり、ゆっくりと私に近づいてきた。今まで保っていた距離を確保しようと迫られる速度にあわせて後退する。けれど、やがて逃げる場所がなくなってしまう。背中が壁に付いてしまってこの後どうしようかと思っていると陛下の手が私の顔のすぐ横、左側の壁に置かれた。これ以上は逃げられない。

「私が君を正妃に選んだ理由が知りたいの・・・ か・・・?」

手を壁に置いてから陛下の視線が上下に動いていたから、私の事を舐め回すように見ていたのかもしれない

「はい、知りたいです」
「わざわざその理由を言わなくても分かると思ったが・・・ 所詮は箱入りか・・・」
「なっ――!」
「どうして他に妃が居ないと思う――?」

ここ数日、王宮や後宮内を隠し通路を覚えるためとか言われて歩き回っていたけれど、他の妃に会う事は無かった。
その理由はこういう事だと思っていたから

「正式な式が執り行われる前に、妃の数の多さに怯んだ私が逃げ出さないよう他の妃と隔離されているものだと」
「――・・・そんな事をするのなら、貴族の子女とのお茶会すらさせないな」

何回かこの国の有力貴族の子女とお茶会をしてきた。中にはこんな人が正妃? という嫌味の視線と言葉を浴びせる人もいて、風に乗って「私達の方が綺麗よ」とか「皇女だからって選ばれたのよ。いい気な物ね」そんな言葉が運ばれてきていた。

「では何故、他の妃が居ないのですか?」
「君以外の女なんて目に入らない」
「今は私を口説いている場合じゃありませんよね?」

陛下の事を思い切り、顎を引きながら、でも精一杯に上目使いで睨みながら言っていたら顎を掴まれ上を向かされる

「君は今日、なんの儀を受けた? 夫が妻に愛の言葉を囁くのは当然だろう?」
「論点がずれていませんか? 私は何故、他に妃がいないかとお聞きしています」
「他の妃が居たほうが君はよかった――?」

急に陛下の表情と纏う空気が変わったような気がしたけれど、それは勘違いだったみたで、また私を言葉で追い詰めてくる。

「そ、そういう事では――」
「なら教えてあげるよ、君を選んだ理由」

そうして急に抱き上げられて目を白黒させていたら寝台に運ばれた。
この後、どういう事が起こるかは用意に想像できる、国で受けてきたお后教育には閨に関する部分も少し、本当に少しだけあった
寝台に寝かされて、陛下の体が私の動きを封じるかのように乗ってきて、おまけに両手が頭の上で纏められるように押さえつけられる。

「君を選んだ理由は――」

少しの沈黙の後、陛下の言葉が続いた

「君の国は何故、先年飢饉が起こった?」
「それは、日照りが続いて・・・」
「それだけじゃない、君の国は山が多いだろう?」

確かに昔、王宮周辺の色々な山に家族で登ったことがある。

「君の国は国土の大半を山が占める。その地形を利用し、かつ容易にたどりつけず、全体を見渡せる場所に王宮はある。だから王宮に行くまで時間がかかる。確か君の国の王宮からこの国の国境に来るまで3日・・・」
「そうです、確かに3日かかりました」

自国の道中は山道が多くて中々馬車を進める事が出来なかった。

「山の多さで作物を育てる面積があまり無い、それが飢饉のもう一つの理由。それに他の国が白陽国に攻め入るためには君の国を必ず通らなければならない」
「―――え?」
「君の国が周辺諸国に攻め入られると、この国も危ういからな―― だから君が白陽国に嫁ぐ事はこの国に十分に利がある」

陛下の空いている手は私の頬を、唇を、首筋をゆっくりと滑っていった

「君の国は交通の要所、何らかの小さな理由で内政が揺らぐと攻め入られる理由になる。この国が後ろ立てになる事によって多少の内乱が起こっても周辺諸国からは守られる。一応この国の事は他の国も怖いらしい。それに君の国にただ援助しただけじゃもったいないからね、君に嫁いできてもらったよ」

私の両手を纏めている手によりいっそう力が入ってきた。

「そんな事も知らなかったなんて・・・ 所詮は君も他の貴族と同じ箱入り娘だったか・・・?」

私を見下ろしながら自分の唇を拭いて注がれる赤い瞳の冷たい言葉。

「そしてどんな理由で君が選ばれたとしても君はもう私の后、君はこの後宮で私の唯一の花としてただ優雅に咲いていればいい、君がいれば他の妃をと進めてくる輩もそうそう出てこないだろうしな」

「箱入り娘」その一言がどうしても許せなかった。

暴れて陛下が少し怯んだ隙に纏められていた両手を自由にさせて、自由になった両手で思いっきり陛下の胸を押すと、抵抗されるとは思っていなかったのか陛下の体が後ろに飛んだ

いつの間にか乱された襟を元に戻して思いっきり睨みつけながら大声で

「どうせ私は箱入りですよ! 私を選んだ理由が、そんな、そんな理由だったなんて・・・ 大っ嫌い!」
「何とでも思うがいい。ただ君はもう私の后、逃げ道は無い。それにその理由は多少予想できただろ?」

確かに政略結婚だとは予想はついていたけれど、私の国との国力の差を見せ付けらると同時に、その冷たい言葉で私を選らんだのは国益のためだったという裏が明るみになって、私の心に大きな傷が付く

広い寝台の上、狼と例えられるほどの冷たい人から逃げながら願ってもいけない事をどうしても願ってしまう。王族の政略結婚はよくある話だけれど、それでも普通に恋をして生きてみたかったという事を。


再び陛下の腕の中に捕らえられて放して、放さないと押し問答が始まる。腕の中で暴れていたら首の辺りが急に痛くて目の前が暗くなった。


 朝、寝台の上で目がさめると時間はまだ夜があけ切ったばかりで侍女さん達も居ないみたいで、今を逃したら次こんな機会に恵まれるか分からないから今の内にと思って持ってきた私物を入れていた箱からある物を取り出し、それを身に着けて何時ものように髪を結うと隠し通路に入る。

馬車でここから私の国の王宮まで5日くらい、歩けば10日くらいできっと付くはずだから歩こう。昔、家族で色々な山に登ったし、山に行かなくなっても自国の王宮の中を毎日歩き回っていた。だから歩いて帰るのは不可能じゃないと思った。

絶対に家に帰ってやる! それにここに来るとき見れなかった白陽国の国内が見られるから楽しみ。
そんな事を思いながらこっそり朝日に照らされる王宮を抜け出した。


→ 赤い飴4


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