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すれ違う願い ―後編―

【二次SS】【黎翔×夕鈴】


-*-*-*-*-*


確か浩大は王都の外れの川のほとりと言っていた
川に付くと難なく夕鈴を見つける事ができた
虹の橋のたもとにいた

 川のほとりに立っていた夕鈴の表情は・・・暗い
忘れないでと言われたけれど、楊梅の枝を見ると思い出すのは
陛下のこと。忘れちゃ駄目と思うと同時に忘れたいと心が葛藤する
でもそれも今日まで。最後の思い出だった楊梅の枝を川に流して
きれいさっぱり終わりにしよう。そう思っていた時


「ゆうりん!!!」

聞こえないはずの声が私を呼んでいた
ビックリして思考が止まる「なんで!? どうして!?」
そう言う暇も無く陛下の腕の中に捕らわれる

「李翔さん!? どうして!?」
「ごめん、夕鈴ごめん」
放してともがくけれど腕の力は逆に強まる

「ねえ、王宮に戻ってこない?」
「駄目です」
「どうしてー?」
「いいですか、陛下はしかるべき身分の貴族か近隣諸国の皇女様を
娶って国を磐石な物としなければならないのです。
庶民の私が陛下の後宮に居たら・・・足手まといにしかなりません・・・」

「じゃあ僕、王様やめる。ただの珀黎翔になる」

「なに言っているんですか!」

本当にこの人は時にとんでもない事を言い出す

「いままで陛下と周りの皆さんが頑張って国を治めてきたのですよ?
ここで投げ出してどうするのですか! 最後まで責任持ってください!」

「君がいないと仕事をしない国を傾ける駄目な王様になっちゃうよ・・・
それに僕は君の傍でしか本当の自分になれない。
僕の安らぎの場所は夕鈴の隣だけ。
それ以外に考えられない、だから本物になって」

「それでも駄目です! 本物のお妃さまは・・・お妃さまは・・・
私なんかじゃ駄目です・・・。分かってください・・・・」


「どうして私なんかって思うの? 僕は夕鈴が傍にいなきゃ
夜も眠れない・・・ 僕には君が必要・・・ 僕があきらめた
理想の未来には君が不可欠だ。もし夕鈴が身分を気にするなら
夕鈴の家を一番位の高い貴族にする。それでもだめ?」


「何度言っても何をしても駄目です・・・。それに権力を私的な事で
使わないでください。それに私は・・・陛下が他のお妃様を
娶っても・・・・笑っている自信が・・・ありません・・・」

思わず夕鈴が持っていた楊梅の枝を獲った
「ねえ、どうして僕がこの楊梅の枝を君に送ったと思う?」
「・・・分かりません」
「この枝の花言葉は「ただひとりを愛する」って言うんだ・・・」
夕鈴はびっくりして目を見開いた

「もう一度言うよ? 夕鈴、僕は君ただひとりを愛する・・・
だから・・・ だから僕と一緒に歩いていこう?」

涙が溢れてきた

「ごめんなさい・・・。もう・・・断る理由が・・・ありません・・・。
本当は・・・私、あの七夕の灯篭・・・「永遠に陛下の傍に」って
願いを込めたんです・・・。」

泣きながら吐き出した 私の本当の気持ち
顔をあげるとにっこり笑った陛下が目の前にいた
「じゃあ改めて、この枝は受け取ってもらえる?」
「はい・・・」

一時の夢だったのが永遠の夢となる
もう夢から目覚めたくない、そんな事を思った


「陛下!!」
李順さんの声があたりに響く

「李順さん!?」
「陛下! 手続きが滞っています! 早くお戻りください!」
息も切らさず李順は続ける

「夕鈴様! あなたはこれから正式に立后するまで毎日お后教育です!
いいですか!? わかりましたね!?」
「はいっ!」

思わず背筋を伸ばす

「とりあえず陛下はお戻りを! 夕鈴様は私の屋敷で着替えてから
王宮に来てください! あなたが陛下をコントロールしないと
陛下が暴走して周りのペースを考えないで政務を進めるので
文官達が悲鳴をあげています! いいですね!」

そう言うと李順さんは陛下を連れて嵐のように去って行った

浩大が笑いをこらえきれない表情で現れる
「じゃあお后ちゃん、行こうか?」

「浩大!? うん!」


彼が強がって手放そうとした理想の未来に私がいるのなら
私は彼の願いを叶えるために私は生き続けよう
平坦な道ではないけれど、きっと二人でなら歩いていける



笑顔の願いへ



仮題が「へたれ陛下」だったのは私だけの秘密です
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