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風船 2

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【現代パラレル】
・年齢詐称有り 黎翔さん28才、夕鈴24才
・二人は同じ会社の同僚(黎翔さん部長、夕鈴平社員)です
・オリキャラがいます

-*-*-*-*-*

この前の土日は金曜日に降った雪なんて信じられないくらい天気がよくて、平日に出来ない大掃除をした。
窓を開け、布団と洗濯物を干して一週間のお弁当の下ごしらえが終わるとあっという間に日が傾いている。
そして月曜日、給湯室で今週一週間のお茶汲み当番だった私はお茶を淹れる準備をしていると、やってきた金曜日に資料作りを頼まれた先輩からとんでもない頼まれてしまう。

「えー、勘弁して。昔何があったか知っているでしょ?」
「でも課長達から直々のお達しなのよ。ね、お願い?」

その頼みごとをしてきた先輩、大学時代の同級生夢華は課が違っても普段から色々とフォローしてもらったり逆に私に出来る事があれば手伝ったりしているから断れない。
夢華は断れないと分かってて私にそういう事を言ってくる。
しぶしぶOKを出すと「じゃ、お願い」と一言残して何処かへ行ってしまい、給湯室に残された私はため息を付きつつフロア全員のお茶を淹れる事にした。

午後、金曜日に作った資料を使う会議があった。作った資料に対しての問題は特に無く、難航した会議がようやく終わって帰宅する。
するとなぜかまたアパートの前で待っていた部長を無視して部屋に入とまた見つめられているような違和感を感じたけれど、気のせいだと自分に言い聞かせここ最近調べている事に関しての調べ物をしてそれが終わるとようやく一日が終わった。

水曜日、社内全体に昼休みのチャイムが鳴る。お昼にしようとお弁当を持って一人で社員食堂に行く途中、急に腕をつかまれて人気の無い部屋に連れ込まれ抱きしめられた。

「ちょっといい?」

急な出来事に目を白黒させていると、発せられた声で私をここに連れ込んだ張本人があの人だという事を認識させてくれて、自分の機嫌が一瞬で悪くなった。

「何か御用ですか“部長”?」
「用があったからこんな事しているのだけれどね?」
「ならちゃんと段階を踏んで声を掛けてもらえませんか?」

通常私みたいな平社員が部長と直接話す機会はあまりない。
仕事上の用件は部長から課長、課長から係長、そして私という伝言ゲームをして伝わってくる

「仕事の事じゃ無いからわざわざ段階を踏む必要はないでしょ?」
「私には仕事上の用件しか部長と話す事はありませんが?」
「相変わらず手厳しいね。とにかく最近身の回りで変わったことはない?」
「・・・最近アパートに帰ると不審な人が出入り口付近で待ち伏せしています」
「・・・どんな人?」
「黒い髪で長身で瞳が赤い人です」
「それって・・・」
「ええ、その人と部長はそっくりですね」

その瞬間、抱きしめられている腕の力が一瞬弱まったからその一瞬の隙を突いて逃げ出す。逃げ出す瞬間にヒールで部長の足を思いっきり踏みつけて部屋を飛び出した。
「もう声掛けないで下さい!」
「痛いよ、夕鈴・・・」
部長の弱々しい声が聞こえてきた気がするけれど無視よ、無視!

部長から逃げてようやく人目の多い社員食堂に行くと、待ち合わせしていた夢華を見つけた

「お待たせ~・・・」
「何か急に疲れてない?」
「ちょっとね・・・」
ため息を付いてお弁当を開けるとさっきの衝撃でお弁当の中身がぐちゃぐちゃになっていた。
気にしないふりをしてそれを食べお昼を終えると夢華から「来週よろしく」と言われてしまい、ため息がでた。

今日は水曜日、今日は残業が禁止になる日だから早く家に帰ろうと午後は何時も以上に集中して仕事を終わらせた。

家に入る前、またアパートの前に居た部長と「来ないでください」「嫌だ」という言い争いをしてから部屋に入る。
最近一日の終わりのこのやり取りにかなり疲労を感じる。本当にやめて、お願いだから、ただでさえ疲れて帰って来るんだから
アパートの前から部長が居なくなった事を確認して洗濯物を取り込むと、下着が一枚無くなっている事に気が付いてやり場の無い怒りが沸いてきた。

少し熱めのお風呂を沸かしてお風呂に入りながら今後の対応を考える。
週末、洗濯物を部屋干しできる物を買ってこないと。そもそもあまり枚数持っていない下着を綺麗に長く持つように気を使っているのに!
そして週末、洗濯物を室内で干せる物を購入したけれど、予定外の出費が少し痛かった。

そしてまた月曜日がやってくる。週末買った干し台に洗濯を室内干ししてから出社すると、始業が始まって少し経つと夢華がフロアの皆にお茶を配り始める。
まず一番初めに夢華は私の所に来て、コーヒーの入っているカップと空のカップを置いていった。
少しため息を付きつつ私の物ではないカップを持って席を立ち、中身を入れてからそのカップの持ち主の所に行く。

「部長、どうぞ」

それだけ言ってさっさとその場を離れたけれど、先週一週間のお茶当番が終わってほっとしていたのにまたこの苦行が続くと思うと胃が痛い・・・。

その日の夜、またアパートに帰ると部長が居る

「また居るんですか? 飽きませんね」
「君に関する事だからね。飽きないよ」
「どうしたら諦めてもらえます?」
「一生諦めないと思う」

ため息を付いて部屋に行こうとすると後ろから抱きしめられた。
「ねえ今日のお茶、なんで君が?」
「課長達からの直々のお達しだそうです。勘違いしないで下さい」
「そう、でもありがとう嬉しかった」
そのままの体勢で少しの時間が流れる。この前、会社で抱きしめられた時にも思ったけれど、数年前に教えてもらったこの温もりは変わっていない。
胸が締め付けられ、耐え切れなくなった所で腕の中からようやく逃げ出した
部屋に入って泣いてしばらくすると誰かに監視されているような視線を感じたからもしかしたらまだ部長が外に居ると思って窓から外を覗く
けれど、アパートの前の道路に部長の姿はもう無かった。


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風船 3
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