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チョコの味


【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【現代パラレル】
・二人は同じ会社の同僚(黎翔さん部長、夕鈴平社員)で同棲しています
・風船から数週間後のお話


-*-*-*-*-*

夕鈴と一緒に暮らすようになってから少し経った頃、今日は午前中に用事があって昼休みから出社した。
すると廊下で鉢合わせした女子社員にラッピングされた物を目の前に出される。
さっき夕鈴が元同級生だった女子社員に何かを渡しているのを目撃したし、他の女子社員が男性社員に何かを渡す光景を何度か見てきた。今日はあの日かとため息を付きながら歩いてきた所だった。

「悪いけど貰えない」
「あのずっと前から・・・」
「なおさら貰えないな」

女子社員を無視してディスクに座るとディスクの上には女子社員一同と書かれたチョコが置いてあり、義理チョコのお返しが億劫だと思いながら鞄に仕舞いこんだ。
そして午後の業務が始まってまもなくいつものように夕鈴がお茶を淹れにくる。
忙しくてその時は気が付かなかったけれど、お茶には手作りの小さなチョコレートが添えられていた。
チョコを口に入れるとほのかに甘い味が口の中に広がり、昔を思い出して少し幸せな気持ちになる。
その日、無理矢理仕事を終わらせて早めに帰宅すると夕鈴が何時ものように出迎えてくれた。

「夕鈴、ただいま」
「・・・おかえりなさい」
「今日はチョコありがとう」

鞄を渡しながら捕まえて、額にキスをしながら御礼を言うと直ぐに逃げられてしまった。

「何の事か分かりません、いいから早く着替えてきてください、お腹すきました」

僕の鞄を持ちながら頬を少し膨らませている。
数年間失われていた信頼はそう簡単には取り戻せないようだ。
夕鈴から小さなチョコ一つだけしか貰えないのはまだ僕の事を信頼しきっていないのだろう。

再度ため息を付きつつ、着替えて食卓に座ると目の前に見事なお子様ランチが出てくる。
唐揚、エビフライ、ハンバーグにオムライス、フライドポテトに小さなグラタンにサラダとコーンスープ。
手作りしたらしい旗まで立っている。

「夕鈴、これ・・・」
「お気に召しませんでしたか?」
「ううん、早く食べよう?」

ハンバーグはハートの形、オムライスのケチャップもハート、フライドポテトは星の形。
夕食が終わって夕鈴を観察しながらソファーでお茶を飲んでいると、何時も出てこないデザートが出てくる。
出てきたのはフォンダンショコラ。口に入れると、ほんのり温かくて美味しい。
ほろ苦いそれを食べながらチョコを直接くれるわけではなく、さり気無くそれらしい物を出してくるその様子に素直じゃないなと笑いがこみ上げる。
食べ終わり、2人一緒に座ってテレビを見ている時夕鈴は僕の肩に頭を置くように寄りかかってきた。
ふとそちらに視線を向けると軟らかそうな唇が目に入る。今その唇にキスをするとどんな味がするのか気になった。

さっき甘い物を食べたから甘い味がする?

でも今は下手な事をして逃げられる方が嫌だから何もしない。でも、もっとこっちに来てと言うように肩をぐっと抱き寄せた。
今みたいな2人だけのゆったりとした時間が好きで、ずっとこのままの時が続けばいいのにと願ってしまう。
でもその時間もこれまで。日付が変わる頃、それぞれの部屋で眠りについた。


 次の日の朝、自室のベッドで目覚めるといつの間にかベッド脇の机にラッピングされた箱が置かれていて、包みを開けると昨日お茶に付いてきた小さなチョコレートがたくさん入っていた。

慌てて起き上がり、キッチンで朝食の準備をしていた夕鈴を後ろから捕まえる。

「おはよう、夕鈴。チョコありがとう。でも何で直接渡してくれなかったの?」
「あれは友チョコの余りです」

箱に入っていたチョコの量を見ればあまった物ではないことはあきらか。
「本当に?」と問えば腕の中で頬を膨らませながら顔を背けられる。

夕鈴の態度を見ると僕は大分嫌われているようだけれど、顔を真っ赤にしながら「恋人にチョコを送る日ですから」と言われ、拒否の裏には別の言葉が隠れている事が直ぐに分かる。
それに思わず出てきた“恋人”という単語が嬉しいけれどやっぱりああいうのは直接欲しい。

「来年は直接頂戴、ね?」
「考えておきます」

僕は君からのチョコだけは素直に受け取るって知っているはずなのに、そんな事を言う君はあいかわらず意地悪だよね。

「ねえ夕鈴、お返し何が欲しい?」
「・・・クッキーがいいです」

ホワイトデーのお返しにクッキーを渡すと「友達のままで」という意味になるはず。

「・・・それだと僕が君を振る事になるけどそれでいいの?」
「嫌です」

即答されてしまって思わずため息を付く。やっぱり意味を分かってクッキーと言っていたようだ。
僕の恋人は何時までたっても素直になってはくれない

「まだ時間があるからお返し何がいいかゆっくり考えてね?」

ぎゅっと抱きしめるとさらに顔を赤くして「はい」と上目使いで言われてしまった。
でも夕鈴は素直に欲しい物をおねだりしてはくれないだろう。いかに何も聞かないで欲しい物を的確に見つけるかがが今後の鍵になる。
いい加減に僕だけには素直になって欲しいと思いつつ、頭をなでながら額にキスを送った。

-*-*-*-*-*


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ありがとうございます

fuyu様、コメントありがとうございます。
夕飯がお子様ランチテイストなのは・・・ちょっと悪戯したくなりまして・・・(ぉぃ
メニューを色々考えた結果、このメニューが一番インパクトがありました(笑
黎翔さんホワイトデーどうするんでしょうねえ? 私もどうなるか知りたいです~
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