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雨 4



【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【現代パラレル】

・黎翔さん21歳(大学生)夕鈴17歳(高校生)の時のお話


*-*-*-*-*-*-*-

「お探しの人はあっちに行きました」
そう言って別れた日から数日後、また雨の日が来て公園に行った。
東屋にはやっぱりあの人がいて、相変わらずビール片手にパソコンと本。
何時もここでこの人は何をやっているんだろう。
なんで私はここに足を運んでしまうんだろう。
そんな事を考えながら溜息を付きつつ声を掛けた。

「こんにちは」
「・・・・この前は合わせてくれなかったみたいだね?」
「何のことでしょうか?」
「まあいいけど」

溜息を付かれたけれど聞かないふりをして何時ものようにあの人の向かいに座る。
勉強を始めるといきなり隣に座られて、手首を捕まれた。
突然の事にびっくりして、近すぎる顔に驚いて思わず後ずさりをする。
でもここは狭いベンチの上。逃げ場なんてすぐに無くなる。

「今度は合わせてね?」

耳元で囁かれた低い声にぞわっとした感覚が体を駆け巡る。

「ひっ!」
訳の分からない初めての感覚に目を瞑り、その感覚が治まるのを待った。
目を開ければすでにあの人はもういなくて握られた部分を土埃を払うように払う。

なんなの、あの人!


それからは何度も雨が降っていた日があったけれど公園に足が向くことはなく、ただ時間が過ぎていった。

そしてある日、帰ろうと思って駅に行くとなぜか駅にあの人がいた。

「やっと見つけた」
「・・・今日は雨、降っていませんよ?」
「最近雨の日に公園に来てくれなかったじゃない?」
「雨の日に必ず行くという訳ではありませんから」

言い捨てるようにして改札に入って電車に乗る。
電車を降りても一定の距離を保ってあの人は私に付いてきた。

「付いてこないでください」
「そんなに怒らないで、この前僕なんかした?」
「身に覚えがないんですか?」
「うん、全くない」

その後の言葉が出てこなかったから睨んでおいた。

「ねえ、そんな怒った顔しないでよ」
「どこまで・・・・」
「え?」
「どこまで付いてくる気ですか?」
「特に決めてないけど、せめて機嫌を治してくれるまで?」
「多分ずっと治りませんから安心してください」
「手厳しいね。でもそんな所が可愛い」

そろそろ、本気で走って逃げようかと思った所だった。
走り出そうとした瞬間、手を捕まれ「放してくださいっ!」と叫んだ。

すると別の声が響き渡る。

「おいっ! 何やってる!」

この声は・・・

「あれ、君この辺に住んでるの?」
「俺が何処に住んでいようがお前には関係ないだろ?」
「まあね。でも今取り込み中、あっち行っててもらえるかな?」
「知るかよ。いいからそいつから手放せって」
「君には関係ない。だからもう一度言う、あっち行ってもらえる?」
「幼馴染が変な男に絡まれてる。関係ないわけないだろ?」
「変? 変とは心外だな」

几鍔…。
2人の間に火花が散って、空気が重くなったその場を一瞬の隙を付いて逃げた。

「もう2人とも私に構わないでよっ!!」

そうやって逃げ帰った日の次の朝、家を出るとなぜか几鍔が家の前にいた。

「おい夕鈴、昨日の奴はなんなんだよ」
「あんたに関係ないでしょ? それより何であの人とあんたが知り合いなの?」
「知り合いっていうか大学の先輩だよ。学部はちがうけどな」
「あっそ。貴重な情報ありがとう。兎に角私には構わないでもらえる?」
「言っとくけどな、あいつに関わると碌なこと無いぞ。お前とあいつじゃ釣り合いがあわなすぎる」
「名前も知らない人と釣り合いなんて取る必要ない」

そう言い捨てて学校に行く。まったく、昨日から嫌な事だらけ!
だから近々学校帰りに公園に行こうと思った。

自分はよっぽど怒っていたらしい。あの人がそこで待っているという考えは、全くなかった。

*-*-*-*-*-*-*-


雨 5


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