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触れられない 2

【二次SS】【バイト妃原作より】
・今回シリーズを通して夕鈴が痛い予定です


-*-*-*-*-*

 嫌な予感がして執務室から飛び出し後宮に向かう途中
庭に違和感がある気がしてそのまま庭に出る

四阿の周りには倒れる侍女達がいて近くには団扇と小瓶が転がっていた
一瞬で状況を理解し、同時に怒りで黒い感情に自分が飲み込まれる。
すると1人の侍女が目を覚ました

「説明せよ」

そう言う自分の声は酷く低くて
自分でもわかるくらい冷たかった

「は、はい。お部屋に戻ろうとした所、黒ずくめの何者かが現れ
私達を人質に取り、お妃様に小瓶の中身を飲むように言いました
お妃様は眠ったまま連れて行かれ私どもも眠らされまして・・・」

侍女の説明が終わった頃にやっと李順と警備兵たちがやってきた

「おそい!!」

そう言いながら四阿の柱を思いっきり叩いた
柱にひびが入って自分の手から出血をしたような
気がしたけれど、いまはそれ所じゃない

「李順、王宮の警備を早急に見直せ。夕鈴が攫われた」
「御意 陛下はお戻りを」
「あぁ・・・。」

たとえどんな時でも自分の立場を優先しなければならないのが
心底嫌になってきた。
夕鈴が唯一だと言っているのに止むことの無い縁談話
減らない狼陛下の唯一に向けられる刺客
強い王を演じて反乱分子をいくら排除しても居なくならない。

狼陛下は愛する人すら守れないのかと悔しくてしかたがない
悔しくて握られる拳は血で赤く染まっていった


―――

 振動で目がさめる。目を開けたら体が何かに覆われていた
声を出そうとしても口が塞がれていて手も動かせなかった
しばらくそのまま黙っていると揺れが収まった
体が持ち上げられて移動する。どこかの小屋に入った気配がして
床にどさっと下ろされる。こういう時、いつも陛下は私をかなり丁寧に
扱っているのかがよく分かる。この状況になってもそんな事を
考えていられる自分にちょっと笑えた

体に覆われている物が取られると眩しくて思わず顔を背ける
光が赤かったから今は申の刻あたりだろうか

「おい、これに着替えろ」
そう言われて下町で着る服を投げられる
「その衣装だと目立つからな・・・」
この状態でどうやって着替えればいいのよ!
睨みつけていたら他の男が手の縄と猿轡を取る
「半刻やる。さっさと着替えろ」

そう言って男達は小屋から出て行った

着替えながらいまの自分に何が出来るのかを考える
ひとまずここに自分がいた痕跡を残さないといけない
頭の花飾りと陛下から貰った耳飾りを片方隠しておくのが
精一杯だった。

「おい、はいるぞ」
「まだ良いとは言ってないわよ?」
「ふん、人質にはそんな権利ないね」
「私をどうする気?」
「そんな事聞いてどうする?」
「あら、女性にはデートのプランをある程度伝えておくものよ?」
「残念ながらデートじゃないんでね」

小屋から連れ出されて歩き出す
今度は体のどこも拘束されていないから逃げるには今しかないと思った
黒ずくめの男は前に1人、後ろに2人逃げられるだろうか
逃げられなくても逃げなきゃ。

曲がり角の下は斜面。日も落ちてきた。今しかない!
曲がる寸前に斜面へ飛び降りた。うまく茂みに隠れながらやり過ごす

残念ながら私は大人しく助けを待つような女じゃないのよ!

何とかやり過ごして山の中を歩いていたら遠くに
町の明かりが見えてくる。町について歩いていたら
人のよさそうな老夫婦に出会う。

「あらお嬢さん、すごい汚れだね。家は近く?」

その問いに対して首を横に振って旅の途中で供の人たちとはぐれたこと
道に迷って山の斜面から落ちたらこの町にたどり着いたと説明した

「よかったら家に泊まりにこない? 2人きりで寂しいの」

一瞬戸惑ったけれど今日はこのまま好意に甘えたほうがいいと
判断してお世話になることにした。


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