FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あの日の四阿

【二次SS】【黎翔×夕鈴】【原作寄り】

以上をご了承の上お進みください


-*-*-*-*-*-*-*

しとしとと雨がふる

この雨が降り止んだら私の夢が終わる


「あと数回で借金の返済が終わります」

そう言われたのは三ヶ月くらい前のことだった
冬が終わって暖かくなって・・・ 雨の季節がきて・・・
雨の季節が終わったあたりに返済は終わるだろう
その時が来るまで私は私を作り続けようと思った
この恋心をこっそり隠して生きていこう
あの人はもともと手が届かない人なのだからと自分に言い聞かせた
これは夢なのだと。目が覚めるのはあと少し
「お妃さま 陛下が庭園でおまちです」
そう言われて私は庭園の四阿で待つ陛下のもとへと行った

「陛下、すみませんお待たせいたしました」
そうにっこり笑顔を作りながら言う
「・・・ああ、来たか。・・・君の顔をもっとよく見せてくれないか?
 今日は空が曇っているから晴れ渡る君の笑顔をもっとよく見ていたい・・・」
心臓がトクンとはね、さらに顔が赤くなるのが自分でもわかる

そんな私を見て満足そうな顔をしながら私を膝にのせると
陛下はクスクスと笑いながら人払いをした

人払いをしても陛下は私を放してくれない。
「陛下、2人っきりなのですから演技はもう必要ないですっ」
そう抵抗の意味を込めてお願いをしてみた。でも私を拘束する
陛下の手の力は緩まないむしろもっと強くなった
そしてそのまま無言で私を抱きしめ続ける
その時間がいたたまれなくなって「陛下?」と声をかける

「・・・李順から聞いた。そろそろ借金が終わるそうだね」
「・・・はい」

空の雲はいっそう厚くなり日の光が弱くなってきた

「ねえ、借金が終わったらどうするの?」

「まだ決めていませんが家に帰って次のバイトを探すと思います」

「でも・・・僕は夕鈴を離したくない、ずっとそばにいてほしい・・・・」

返事を私は言えなかった。
だって、陛下にはしかるべき身分の方を迎えなければいけないから
たとえ私が側に残っても陛下が他の妃を迎えても
笑っている自信がなかった。

私は何も言えない変わりに陛下の衣をギュッと掴む。

空はいっそう曇っていった

 陛下は私を膝の上で抱いたまま。私は陛下の衣を握ったまま
時間が刻々と流れていく。

遠くに陛下を迎えに来た宦官の姿が見える。陛下もそれに気がついた
この時間はもうすぐ終わってしまう


”雷神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ”

王宮のバイトに来てすこし経ったとき老師から習った
異国の詩の一文を思い出した

そして私に陛下の声が降り注がれる
”雷神の少し響みて降らずとも我はと留まらむ妹し留めば”

思わず顔を上げて陛下を見る

「ど・・・・どうして陛下が私の心を読んでその対の歌を詠むんですか!!」
「え? だって夕鈴普通に声に出して詠んでたよ?」
「なっ・・・!!」
「その歌を返事のかわりに詠むって事は僕のそばにいる
 本物になるて事でしょ? うれしいなー」

そう言って陛下はニコニコ笑っている。

「そ、そんなつもりは・・・・」

ふと陛下の纏う空気が変わって赤い瞳が私を捕らえた

「・・・・もう誰が何と言おうと君を逃がさないから・・・・。覚悟してね?」

そう言ってニヤリと笑う陛下の顔
なにか反論しなければ! このまま流される! そう思った瞬間

―――――ゴロゴロゴロ

空が鳴った

反射的に耳を塞いで陛下の胸に顔をうずめる 雷は苦手だ!
雨が降る音が聞こえてきたけれど雷も鳴り続ける
半刻もしないうちに雷と雨がやんで太陽が出てきて
その眩しさに顔をあげる

そこには上機嫌の狼。。。 

「さて雨もやんだし一緒に後宮に帰ろうか今日はもう君を離さないからね」
「陛下! お仕事はどうなさったんですか!?」
「今日はもう終わったよ? それとも君は仕事が終わっても
まだ仕事しろって言うひどいお嫁さん?」
「そ・・そんな事は・・・・」
「じゃあ帰ろう」
そう言ってまたニヤリと笑いながら後宮へと歩いていった


雨のち晴れ 1へ
スポンサーサイト

訪問者

検索フォーム

RSSリンクの表示

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。