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触れられない 6

【二次SS】【バイト妃原作より】
・今回シリーズを通して夕鈴が痛い予定です

-*-*-*-*-*

王宮に帰ってきてからずいぶん時間がたった
その間、陛下のお渡りはない

部屋からも出られないので今日の天気さえ分からない日もあった。
日中部屋でやることと言えばお妃教育本を読んでそれに飽きると
裁縫をするという日常の繰り返し

ある日、裁縫をしていて完成させようと集中していたら
部屋に李順さんと老師がやってきた。部屋に入るなり
すぐに老師が人払いをする。

お茶を入れて円卓に3人で座る。口火を切ったのは李順さんだった
「老師、これで少し黙っていてください」
そう言うと老師にお菓子を渡す

「なんじゃとこのメガネ! そんな事をせんでも
黙っている時はだまっているわい!!」

「さて夕鈴殿わざわざ危険を犯してまで
私がここに来たのは理由があります」

「は、はいなんでしょうか…」
危険ってなんだろうと疑問に思ったけれど改まった
李順さんの表情に聞く機会を失う

「…夕鈴殿、いま貴方が置かれている状況はお分かりですか?」
なんの事を言われているのか理解が出来なかった

「今は陛下から「夕鈴殿を部屋から出すな」と命令が出ています
いつもの貴方ならどうにかして部屋から出て陛下に会いに行くとか
するでしょう? 今回に限ってなぜそれをしないんですか?」

確かにいつもの私なら無理やりにでも陛下にあいに行く

「……なぜと言われてもうまくは答えられませんがあの大臣の屋敷で
見た陛下は陛下ではない気がしました。でもこのままこの部屋の中に
居ても陛下のお役に立てない事は分かっています」

そういいながら無理やり笑みを作って続けた

「それに… 後宮は王を癒すための場所でしょう?
部屋から出られなくても私がここに居るだけで陛下が
安心できるのなら陛下のために私はそれに従うまでです」

無理やり表情を作って伝えた言葉はちゃんと伝わっただろうか
李順さんはまたひとつため息をついてお茶を一口飲むと続ける

「それでです、あれから陛下のお渡りはありましたか?」
「いいえ… ありません…」

ふう… と李順さんはまたため息をつく

「夕鈴殿あなたは本物になる気はありますか?」

その言葉にピクッと体が揺れた

「…分かりません。陛下が望めば残る事もあるかもしれませんが
いまの私は陛下に必要とされていないようです。でも、陛下の
本物のお妃様は身分のしっかりした方がなるのではないのですか?」

質問の意味がよく分からないから疑問を疑問で返す

「実はですね、あと数回で借金の返済が終わります」

その瞬間、背中に冷やりとした汗が伝う
今は春の季節この後雨の季節がきて・・・
雨の季節が終わったあたりに返済は終わるのかもしれない

「今回の楊大臣の不正がかなりの額でしてね
その不正の証拠を見つけたのはあなたですからその分の
報酬を入れたら残り金額がかなり減りました。」

借金が終わるのはうれしいけれど、このまま陛下と別れるのは嫌

膝の上で握る手は小刻みに震えていた

「確かに身分のある妃は必要かもしれませんが身分以上に
陛下には貴方が必要な気がしてなりません」

必要・・・? 私は陛下に必要?
でも私は陛下が他のお妃様を娶っても笑っていられる自信は無い

それくらいに陛下の存在が私の中で大きくなりすぎた

「まだ陛下には借金の事は伏せておきますから
その間、貴方も家に帰られない覚悟をなさって下さい」

家に帰られない。その言葉が私に重くのしかかる
老師と李順さんが帰っていっても私はしばらく
円卓から動けないでいた。

 翌日、李順さんが侍医を連れて再び部屋にやってくる
これ以上部屋に篭っていると健康に害をなす恐れがあるから
陛下に内緒で庭を散歩してきてほしいと言われ断ったが
2人の説得に負け庭にでる事になった。久しぶりの外は
太陽がすこし眩しくなっていて季節が進んでいるのが分かる

庭に下りて周りを見渡していると、陛下の声がした

「何をしている」

後ろを振り向くと怒っている陛下がいて李順さんと侍医に
冷たい視線を送っていてあわてて陛下の所に行った

「陛下、申し訳ございません。今回の事は李順殿と侍医が
私の事を考えての事ですから・・・」

言い終わらないうちに陛下に乱暴に抱きかかえられ
部屋へと連れ戻された。壁の近くに下ろされ壁に背を付けた所に
立っている私の前に立ち、鋭い視線で私を射抜いたと思ったら
「ドン!」と頭の直ぐ上の壁を叩かれた

「今回の事で私がどれだけ心配したか考えてみるといい」

そのまま狼陛下にしばらく睨みつけられ何も言えずに困惑していたら
陛下は部屋から出て行った。侍女さん達に
「妃を部屋から一歩も出すな!」と譴責して


触れられない 7へ


・掲載順にお読みの方へ
これは前回の5.5話から分かるように春の話です
時系列的にはあの日の四阿の前の話になります



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