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触れられない 8

【二次SS】【バイト妃原作より】【黎翔×夕鈴】
・一部に暴力表現が入ります

-*-*-*-*-*

「私は逃げません!
 ここで私が逃げたら陛下はずっと壊れたままです!」

一瞬何を言われたのか分からなかった
壊れてる…? 僕が壊れている…?

体がフラフラと後ろに行く
足がもつれて床に尻餅をついた。そのまま自分の両手を見つめた
血は洗い流されてはいるが、どこか血で汚れた気がする手
この汚れた手で? 本当に? 本当に君に触れていい?

自問自答していたら手を握られた

「陛下…?」
夕鈴が僕の顔を覗き込んだ

「ねえ、夕鈴本当に君に触れてもいいの?
僕の手は君が思っている以上に血で染まっているよ?
あの大臣を見せしめで殺したのは僕だし他にも沢山
君に聞かせられないようなことをしてきた…… それでもいいの?」

顔のあたりに夕鈴が抱きついてきた
「陛下は陛下です。どんな事をしていても私は陛下を嫌いになる
事はありません それに…前に言いましたよね?
『花嫁は狼陛下の味方ですよ』って」

涙があふれ出てきた
狼陛下はたとえ誰であろうと涙を見せることはできないのに
顔をあげるとうろたえた表情の夕鈴がいて、思わず抱きしめた


「夕鈴、ごめん本当は部屋に閉じ込めたくなかった。
でも君が後宮にいても誰かに攫われて、僕の所からいなくなるのが
どうしても嫌で警備が整うまで部屋から出て欲しく無かった。」

頭を優しく撫でられる

「それに、血で汚れた手で君に触れられなかった。
許してとは言わない。借金が終わって君が家に帰りたいと
言うのならもちろん家に帰ってもいい。でも僕の事…忘れないで…」

「陛下の手は汚れてなんかいません。国の為にと頑張っている手です
それでも汚れているというのなら、私が洗ってあげますから」

「夕鈴が淹れてくれたお茶が飲みたい… 夕鈴が淹れてくれた
お茶じゃないともう飲みたくない…」

「はい、何杯でもお入れします…」

そのまま夕鈴を抱き上げて寝台へと向かい、寝台に組み敷く
「ごめん、今夜はこのままでいさせて?」
「…はい」

「今日の僕の夜着夕鈴が作ったんだって?
ありがとう、大事にするから…」

夕鈴を抱いたまま眠る。何処にもいかないように
誰かに奪われないように。消えないように大切に、大切に守りたい

眠りに落ちる瞬間贈られた「黎翔さま」という言葉は
何よりもうれしい贈り物だった。

 朝、目が覚めると腕の中に眠る夕鈴がいた
昨日のあれは夢ではなかったと実感するけれど
本当は君に触れたり触ったり、隣でそっと生きたいと思うのは
罪なのかもしれない。そんな事を考えていたら夕鈴が目を覚ます。

「夕鈴、おはよう… 体…辛くない?」
「辛いです…」
「ごめんね、夕鈴があまりにも可愛いから放せなかった」
「・・・・・・」
「ねえ、夕鈴の借金が終わるまでまだ時間はあるだろうから
今後どうするかはゆっくり考えて…。」
「・・・・・・」
「その時がきたら僕は君の選択に従う。でもその時が来るまでは
君と一緒に夢を見ていたい…。」

そう言うと返事を聞かないで僕は寝台から離れる
部屋から出ると夕鈴の侍女達がびっくりしていたが
「妃を寝かせておけ」とだけ言い部屋に戻ることにした

本当は離したくなかったが今後の未来は本人の選択を待とう
「傍にいる」という答えが出てくると期待しよう…。


「触れられない」 後書きへ

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