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恋の味・続き

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【現代パラレル】

・二人は同じ会社の同僚(黎翔さん部長、夕鈴平社員)です
・前回の話で夕鈴に誤解されてしまった黎翔さんが奔走するお話。

-*-*-*-*-*



 数日前、屋上でとある女性社員に迫られてキスされそうになった事があった。
あの時は辛うじてキスはかわしたけれど、自分がキスを女性にしたような体勢になってしまい、それを夕鈴に見られていた。
その日夕鈴と二人で暮らしているマンションに帰れば不機嫌な夕鈴に出迎えられ、踏んだり蹴ったりな1日だと思いつつ、悪者になるのを承知で何かあったのと問えば何もないと返ってきた。
そんな答えが返ってくるのはお見通しだったから自分の気持ちを素直に伝える事で何とか夕鈴の誤解を解いたけれど、僕の言葉は全然信用していないと言いたげな表情をされてしまう。
惚れた弱みじゃないけれど、夕鈴からの疑いの視線は正直やめて欲しい。あの視線を見ると心が乱れてしまう。
そんな事を考えながら数日間が過ぎていきようやく誤解が解かれたと思った時、またあの時の女性社員に屋上に呼び出されて嫌々屋上に足を運んだ。
その女性社員は確か父親である重役のコネを使って入社した社員で、社内ではフリーの男性社員を狙って奔走しているのをよく見る。
今回は運悪く自分がターゲットになってしまったようだ。
前回は父親との関係を思って多少はやりたいようにさせていたがまた夕鈴に誤解されたくないから今日は最初から全力で断る事にした。

「あの… 珀部長… 先日はすみませんでした…」
「用件はそれだけ? 悪いけど君の事は眼中に無い。それに仕事の邪魔」
「そんな事言わなくたって… 私部長の事…」
「私が何か? 悪いけど業務中にそんな事言う人は願い下げ」
「待ってください!」

そう言われてこの場を去ろうとしていた足を少し止めたのがいけなかった。
また女性社員が自分に抱きついて来る

触れられた瞬間に数日前にも感じた汚い物に触られたような感触が全身に伝わり、あわてて振りほどき屋上から逃げるように階段へと向かうと、運悪くそこには書類を抱えた夕鈴がいて

「部長の馬鹿! 女ったらし! 大嫌い!!」

という言葉を置き土産に自分の前から逃げていった。
おまけに慌てて逃げる夕鈴の手を握ったら「触らないで!」と拒絶されて…

運悪く時間は定時過ぎ。夕鈴の後を追いかけるけれど、逃げ足の速い兎はすでに退社した後だった。

まいった…。

 自分も退社して彼女を追いかけようとすると、李順に声をかけられる

「理事長、そろそろ会議のお時間です」
「……ここではそう呼ぶなと言ってあるはずだが?」
「お時間を守っていただければそう言う必要もないのですがね?」

ため息を一つついて仕方なく別の顔になる事にした。

経営している病院の会議が終わるともう既に深夜と言える時間になっていて月が夜空に輝いている。
夕鈴に遅くなるとメールをしても返事は返ってこない。
病院の理事長室で会議の書類をまとめながらため息をついた。
あの女性社員を潰そうかどうしようか思案すると理事長室の扉がコンコンと叩かれる。「どうぞ」と言えば普段仕事の
情報収集をさせている浩大が入ってきた。


「理事長、理事長の大事な兎さん俺の隠れ家に匿っておいたから」
「そうか」

書類に目を通しながら話す

「兎さん泣いていたけど何かあったの?」
そう言ってニヤリと笑う浩大は何があったのか知っていて聞いてくる

「何でもない、それよりあの女の不正は何かないか? 目障りだ」
「んー 女の方に無くても父親の方にあると言えば?」
「即刻潰せ。女の方も理由は何でもいい、退社させろ」
「父親は理事長のグループ会社の結構な重役なのにいいの?」
「構わん、さっさと潰せ」

イライラしながら書類を纏め終わると夕鈴がいる浩大の隠れ家に向かう。
そこは普通のビジネスホテルで到着した頃にはすでに早朝と呼べる時間になっていた。
今夜は徹夜かとあくびをかみ殺した

 部屋に入ると泣いていたのか目の辺りを赤くした夕鈴がベッドの上で眠っていた。
本当は夕鈴を泣かせたくないのにどうしても泣かせてしまう自分が嫌になるけれど、一筋縄ではいかない兎の駆け引きに
夢中になっている自分がいる。
そんな事を自分にさせる夕鈴がとても愛おしくて、頭をそっと撫でていると寝言が聞こえてくる

「部長の馬鹿… 女ったらし…」

その言葉に思わず小さく笑いながら髪をひと房持ち上げ口付けする。
それが合図だったかのように次の言葉が紡がれた。

「でも好き…」

自分の顔が一瞬で赤くなり思わず自分の顔半分を手で覆う。
この兎は自分を翻弄するためだけに存在しているのかもしれないと思いながらベッドにもぐりこみ夕鈴を抱きしめながら起きるのをまつ事にした。
夕鈴以外に触られるのがあんなに不快だとは思わなかった抱きしめると夕鈴は自分に擦り寄ってくる。
よかった。完全に嫌われた訳じゃなかった。

夕鈴が望む埋め合わせを週末にでもしよう。
久しぶりに二人きりで何処かに出かけよう。
動物園や水族館、遊園地もいい。
夕鈴の目が覚めるのを隣で寝顔を見つめながらじっと待つことにした。



恋の味・続きの続き

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