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長汀

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【バイト妃原作より】【捏造設定有り】

・夕鈴はバイト終了間近です。
・一部に暴力表現が入っています
・ブログでの「雨のち晴れ 5話」の裏側夕鈴が眠っている間の話です

-*-*-*-*-*

森の中で夕鈴をみつけて急いで王宮に戻ってきた。夕鈴を侍女に任せ
李順の元へ足をすすめ、耳飾りに込めた思いをついに口にした。

「李順・・・夕鈴を・・・」

そう言った瞬間、李順に止められた

「お待ちください陛下。夕鈴殿を正妃にとおっしゃるのでしょう?
それがどんなに困難な道かお分かりですか?」

そんな事は言われなくても分かっている十分すぎるほどに分かっている

「あぁ・・・誰がなんと言おうと夕鈴は正妃にする・・・」
「しかたありませんね。この後の対策を練りましょうか・・・」

浩大と話している間に李順は何処からか一つの書簡を持ってくる。

「陛下、これは夕鈴殿を採用する際に調べた身辺調査書です」

渡されて中身をみて思わず息を飲んだ

「夕鈴は… 貴族…?」
「はい、夕鈴殿の家は何代か前に栄えた長家の末裔のようです。」
「前に貴族だと刺客に怪我をさせられた場合なにかと面倒だと…」

「それはそうですが一応後宮に入るにはそれなりの身分が無いと
 駄目ですからね。あと陛下が今回のように臨時を本物にすると
 おっしゃった時の保険ですかね。全くの庶民だと他の妃の争いに
 負けると思いましたので。まさか一人だけとおっしゃるとは思い
 ませんでした。それに多少は教養があると思って採用しました
 けれどほぼ無いとは思いませんでしたよ」

そうため息をついた李順は続けた。

「それにその家系が没落して行ったのは科挙が導入された時、従来の
 貴族が蔭位の制により科挙試験を受験することなく、重要な官職を
 得て行く中、それをせずに跡取りとなる者が科挙に合格できずに
 没落して行ったようです」

「……夕鈴のあの真っ直ぐな性格はそこからきているのか?」
「少なからずあるでしょうね、でもその性格は王宮には向きません」
「…………」

つまり残る場合、本人に相当の努力が必要と言う事を示す。
自分の事を想ってくれる言葉を一切紡がないあの兎を、自分の事を
どう想っているのかまったく分からない夕鈴を自分の我が侭一つで
この世界に残していいのかと思ってしまう。

「僅かな表情の変化で付け入る輩が湧き自分を追い詰める
ここはそういう世界です」

子どもの頃からずっと聞かされてきたその言葉が重くのしかかった

「あと夕鈴殿の弟君が科挙に合格したとします。そしていずれ実績を
 あげてくれれば「汀家」として家の再興ができ、正妃として迎えられ
 ますけれどそれは時間がかかりすぎますので現実味はありません。
 一番早いのは何処かの家に養女になっていただいてそこから輿入れ
 という方法もありますけど問題はどこが受け入れ先になるかです。
 柳家、氾家に対抗できる中立の家となると限られる訳ですけれど
 周家が「是」と言うか…」

「問題は山積みって事か…」
「とりあえず、今回の刺客の雇い主はどうしますか?」
「楊大臣のように処分するのもいいな、あの時夕鈴を唯一と宣言して
 それを傷つけるなら容赦しないと言ったはずだ」

そう言ってニヤリと笑うと李順の顔色が悪くなった

「また他国の訪問予定がありますからお手柔らかにお願いします」

そう李順に言われたけれど、手加減なんてする気は無かった。
とりあえず今夜は夕鈴の元に行って明日には晴れ渡る笑顔を
見られると信じて手を繋いで眠る事にした。

 次の日楊大臣のように官吏達の前で今回の雇い主を処分し、返り血を
流そうと廊下を歩いていた。あの場で「妃を正妃にする」と冷たい声で
言い放った時、周りのざわめきが聞こえたが無視をした。
これからある長く続く古狸との波打ち際の争いを思えばため息がでた。
さて、どうやってあの狸たちを説得するか…。

「へーかー、ちょっといい?」
「浩大、なんだ」
「これ渡しそびれていたやつ、陛下が見つけた枝だよん」

渡された枝はたしかに森の中でみつけた枝だった

「陛下、俺さ笑っちゃった。その枝「楊梅」でしょ? 偶然かも
 しれないけれどサ"楊"大臣の調査の時証拠の書簡、お妃ちゃんが
 用意してくれたんだけどその書簡「梅」の根元に埋められていたから
 陛下その楊梅の花言葉知ってる?」

「いいや」隠密は暗号でやり取りするとき花言葉で伝える時が
あるから浩大はそういう事に詳しいのかもしれない

「それね「教訓」「ただひとりを愛する」って言うノ。 お妃ちゃんが
 大分前から陛下にただひとりを愛するって言ってる風に聞こえてサ
 その実を食べながら何を思っていたのかね」

手に持った枝を見つめながら思考が止まるのを感じた。夕鈴は自分の事を
どう思ってくれているのだろうか。体に付いた血を見つめながらあの時の
「血で汚れているなら私が洗ってあげます」という言葉を思い出し
またため息をついた。そういえばもう直ぐ七夕、夕鈴の願い事は
何だろう。自分の側に居てくれる事を望むか否か。…淡い期待はしない
はっきりと想いを伝えたいし伝えられたい。

数日後、庭に来ていた。今日は夕鈴が眠り続けて何日目なのだろうか
雨が降っている。雨を気に留めないで庭に出てみた無意識にあの日の
四阿に足がむくが途中で立ち止まった。あの日の事を思って雨に打たれる

夕鈴、お願い早く目を覚まして…。


-*-*-*-*-*




SNSの3000人目のお客様から

『陛下が夕鈴を本当の妃にすると李順に宣言。
その後、李順から語られる、夕鈴と汀家の秘密。』

というリクエストを頂きましてやっとこの妄想に日の光を浴びせさせる
事ができました。
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