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紅茶

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【捏造設定有り】
・夕鈴達が普段飲んでいるお茶は捏造設定です。
・時系列
「赤い花の思い」→「紅茶」

-*-*-*-*-*


 お妃教育の合間に飲むお茶は、何時も自分の部屋で陛下と飲む
お茶とは違う味と香りで落ち着く。老師や李順さんと話しながら
進む話にふと、陛下の好きなお茶ってなんだろうと思った。

陛下は私が入れるお茶をいつも美味しそうに飲むから正直陛下が
一番好きなお茶はどれなのかは判別できない。
考え事をして表情が崩れてしまったのを指摘される。

「夕鈴殿、その僅かな表情の変化で付け入る輩が湧き自分を追い詰めます
ここはそういう世界です。肝に銘じておくように」

「はい… すみません…」

だから陛下は私にあまり感情を出さないのかと思って少し寂しくなる

話の流れでそのままお茶の講義になった
「いいですか、夕鈴殿お茶の種類は数千種類ありますが、基本は
青茶・黒茶・緑茶・白茶・黄茶になります」

そこから始まって白茶は冷たい水で淹れても美味しく入れられる事
私が普段飲んでいるのは黄茶でその味を理解するにはある程度経験を
詰まないと分からないといわれた。淹れる水の質と温度で味が変わり
一定の味を出すのは難しいらしい。そして話は異国のお茶の話になり
それもウンザリするくらい詳しく説明されて頭がパンクしそうになる
その後も李順さんが政務室に戻るまでお茶の講義は続いた…。


 李順さんに一通り教えてもらったお茶の種類の中から陛下の好きな物を
見つけようと毎日違うお茶を出してみる。最初は白茶。このお茶は香り
味わい、水色ともに上品で後味がとても甘いお茶だった。それを陛下は
普通に美味しいと言って飲んでくれたから、その表情の裏を読み取ろうと
するけれど、子犬陛下の表情は裏があるようには見えなかった。
それから毎日色々茶葉を代えて出してみるけれど、陛下が好きなお茶は
一向に見つからなかった。

ある日、老師と二人でお妃教育を受けていてふとお茶の話題になった。

「陛下がお好きなお茶がどれかまだ分からないのです」
「ほほぉ、掃除娘まだやっておったか」
「表情を隠すのが上手い方ですから、なかなか分からなくて」
「ふむ… これなんかどうじゃ?」

そう言って老師が出してくれたお茶を一口飲むと今までに味わった事の
無い味わいが口の中に広がった。その味は一言では言い表せなくて
あえて表現すると、濃厚な果実や花の香りがして、味わいも深くて濃く
香りと味のバランスが絶妙だった。
お茶の色も今までに見たことのないくらいの深紅の色をしている

「老師… このお茶…」
「このお茶は本来国王だけが飲むお茶じゃ。最近はお前さんとばかり
 お茶を飲んでおるからこのお茶はめったに淹れられる事はないがの」

そう言って老師は席を立ち、そのお茶の淹れかたを教えてくれて
最後に紙に包んだ茶葉を私にくれた

「今度、これを淹れてみてはどうじゃ?」


 李順からやっと「ご休憩を」と言われて夕鈴にお茶を入れてもらおうと
後宮に行ったら老師の部屋に行ったと言われた。最近夕鈴の部屋に行くと
老師の所に行っていると言われる事が多い。お妃教育なのか掃除なのかは
分からないけれど、自分以外の所に夕鈴が通いつめるのが気に入らない。
廊下を歩いていたらようやく夕鈴を見つけた

「夕鈴、やっと見つけた」
「陛下、お疲れ様です」そう言って優雅に礼を取る
「夕鈴?」
「ごめんなさい、今日は礼の取り方の授業だったので復習していました」

胸の辺りを押さえながら笑っているけれど、その手の下には何か
隠していた。でもここで問い詰めると逃げられるから何も言わない

「ねえ、ちょっと休憩したいからお茶を淹れてくれない?」
「では部屋に戻ったら早速お淹れしますね」

夕鈴の部屋に戻り、お茶が出てくるのを円卓に座って待っていると
お茶の香りが部屋に充満してきた。匂いで何のお茶か分かりすこし
ため息をついた。最近何故か毎日違うお茶が出てくる。
夕鈴には悪いけれど、普段あまり飲まない物に口を付けるのは抵抗が
あってそんなお茶が出てくると正直心が休まらない。

お茶が自分の目の前に出てきて一口飲んでみると国王専用の茶葉から
淹れられた物だと確信した。

「陛下、どうかされましたか?」
「夕鈴… このお茶…」
「老師から少し茶葉を分けてもらったお茶ですけれど…」

そう言われて茶杯を円卓の上に置き、夕鈴を腕の中に捕らえて
膝の上に乗せた。

「夕鈴… 最近出てくるお茶が毎日違うみたいだけど…?
 それに最近何か僕に隠し事していない?」

狼で聞くけれど何時ものように脅えずに、返事に困っているような
表情をしていた。最近の夕鈴は僕に表情をよく隠している。

「夫に隠し事なんて… 酷いな… 君が僕以外の何かを考えていると
 分かっちゃうと、すごく嫉妬しちゃう…」

狼陛下の台詞を出来るだけ子犬にして夕鈴の耳元で囁いた。
少し時間がかかったけれど、ついに観念した夕鈴が答えを言う

「……陛下が好きなお茶はどれか分からなくて… 色々なお茶を出して
 どれが一番好きか反応を見ていたんです…。でも陛下の表情だけでは
 分かりませんでした…」

「ふうん… だから最近表情が強張っていたの?」
「それはお妃教育の復習です。僅かな表情の変化を隠すようにと…」
「僕の前でそれは酷くない? 君の表情を見ているのが楽しみなのに」


 陛下に酷い事を言っているとは分かっていたけれど、でも本当は淹れた
お茶を美味しそうに飲む陛下を見て自分の顔が赤くなりそうになるのを
必死で抑えていたなんて言えなかった。

「すみません…。陛下の好きなお茶がどれか知りたかったんです」
「それで最近老師や李順の所に通いつめていたの?」
「はい…」

顔を陛下の胸に引き寄せられるようにして埋めた。陛下の香りがする

「僕はあくまで夕鈴と一緒に飲むお茶が好きだから茶葉は何でもいいよ」
「…………でも、陛下の好みのお茶が何か知りたかったんです」
「僕がこだわるのは夕鈴が淹れたお茶であるか否かだけだから」

陛下は私の頭を優しく撫でてくれた

「今度、夕鈴が一番好きなお茶を淹れて?
きっと僕もそのお茶が好きだから… ね?」

そう言って陛下は時間切れと言って王宮に戻って行った。
陛下の頬が少し赤かったのは気のせい?

 夕鈴が僕の事を知ろうとしていてくれたのが嬉しくて思わず顔が赤く
なってしまった。夕鈴を何とか言いくるめ、表情を隠すために仕事に
戻る。夕鈴の考えている事や仕草、一つ一つが気になってしまって
それが僕の思い通りに行かないと不機嫌になっている自分がいる。
妃に溺れるというのはこういう事を指すのかと自分の感情に戸惑いながら
足早に王宮に戻った


 後日、私が一番好きなお茶をと言われ、悩みに悩んで選んだお茶を
陛下に淹れに行った。

「陛下どうぞ」

今日のお茶は微かに花の香りがするお茶。その花に込められた言葉は
私からは絶対に言えないけれど、さりげなく伝えたかったから。

「このお茶は香りがいいね」
「はい、私がとても好きなお茶ですから」

そう袖で半分顔を隠しながら笑うと陛下も笑い返してくれた

「お茶の香りを楽しむのもいいけれど君の香りも楽しみたい」

そう言われ陛下の腕の中に囚われて膝の上に乗せられた。正直この体勢は
恥ずかしいけれど、表情を陛下に見られないからちょうどいいと思う。
今日も陛下に抱きしめられ、陛下に包まれて陛下の香りに酔った
私の控えめに伝えたいこの恋が陛下まで真っ直ぐに伝わらないように願う
この恋はもうすぐ終わる夢だから…。







SNS3700人目のお客様にリクエストを伺い

「夕鈴の小さい隠し事を陛下が子犬と狼で脅し、
宥めすかし、ちょっと嫉妬したりしながら解決してあげる話」

をテーマに書いたお話です。


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