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思慕

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【バイト妃原作より】

-*-*-*-*-*

 王宮の庭では色とりどりの花達が競いあうように咲いていた
前は花には興味なかったが、花が目に入るたびにどれが一番夕鈴に
似合うのか考えている自分がいて、そんな自分を持官たちは無表情で
見つめているのを知っている。これは寵愛を見せ付けるためだと自分に
言い聞かせ、花を一輪摘んで夕鈴の元へと行くとなにやら騒がしい
部屋の中に入るとそこには色とりどりの花が部屋中を埋め尽くしていた

「陛下、お帰りなさいませ」
「…凄い量の花だね」
「はい、紅珠が持ってきてくれました」

どうして女性が女性に対して花を贈るのか良く分からないけれど
これだけ花があったらこの花はきっと要らないだろうと思ってこっそり
花瓶の花に紛れ込ませて二言三言、言葉を交わし夕鈴の部屋を後にした

 さっきの事で少し機嫌が悪くなってしまい、イライラを払拭させようと
政務室へと戻った。かなり早くに戻ってきた自分を見て李順からは
「お妃様と何か?」と問いかけられたけれど、何も答えないで
冷ややかな目線を送ればそれ以上は何も聞かれずにただため息だけが
送られてきた。こういう時に限ってそんなに忙しくないからすぐに
決済する書簡は無くなってしまい李順からも「お疲れ様でした」と言われ
する事が無くなる。仕方なく夕餉までまた庭に出ようと思ってその辺にいた
官吏に妃を庭に呼べと無意識の内に言ってしまっていた。

 夕鈴が庭にやってきて一緒に散策する。ちょっと夕鈴に意地悪したく
なったから四阿にきても人払いをしないでみた。

「夏の日差しより眩しいその笑顔は私だけに向けてほしいものだな」
数日前、政務室で楽しそうに官吏達に対し笑っているのを見かけて
しまい、その時の気持ちを夕鈴にぶつけてみた

「まあ陛下、私は何時も陛下だけを見つめ続けていますわ」
……これは演技中の夕鈴。

「夕鈴… 君だけを愛している…」
「うれしゅうございます… 陛下…」
まだ演技中か… 手ごわい。今度は耳元で囁く

「愛していると言葉をいくら送っても君は本気にしてくれない…」
夕鈴から小声で「バイトで遊ばないでください」という抗議の声が
聞こえた気がしたが無視をする。今度こそ本当の気持ちを込めて

「いつになったら私が本気だと分かってくれる?」と言ってみたら

夕鈴は周りをちらりと確認して「私も陛下の事が好きです…」

としか言わなくなった。その後はどんな言葉を送ってもその言葉だけ
しか紡がれず、最終的には業を煮やした夕鈴から

「もう陛下にお茶を淹れたくありません…」と言われ
本気で血の気が引くのを感じた。

その後夕鈴は一人で部屋に戻ってしまい、夕餉を一緒にと部屋に行くと
「お妃様は体調不良です」と女官に追い出され沈んだ気分で自分の
部屋に戻った。一人で酒を飲んでいると浩大が現れ、顔も見ず

「夕鈴は」と聞けば
「仲間に頼んできたヨ。もう眠ったみたいだね」そう返ってきた

何となくイライラして浩大に鞘をつけたままの小刀を投げつけてから
杯と酒を投げつける。浩大は全部器用に受け取ると飲み始めた
浩大にあたるのは間違っていると分かっているけれど、やり切れない
気持ちは鞘が付いたままの小刀に乗り、お互いの間を幾度と無く
行き来していった。夜も更けて浩大も部屋から居なくなり眠った。


 次の日の朝、夕鈴に謝ろうと部屋に行くと朝餉が二人分すでに
用意されていて入り口付近には夕鈴が立っていた

「……おはよう」
「おはようございます」

ちょっと頬を膨らませて立っている夕鈴の頭に飾られているのは
昨日、僕があげようとしていた花だった

「……夕鈴その髪飾りにしている花…」
「これですか? これ陛下が私にと持ってきて下さった花でしょう?」
「そうだけど… どうして?」
「一つだけ違う花がありましたから直ぐ陛下からだと分かりますよ
 陛下が昨日何も仰らなかったので気が付くのに時間がかかりましたけど」

そう言って笑う夕鈴が凄く可愛いけど…

「どうしてそういう事は鋭いのに…」

僕の気持ちには気が付いてくれないの?

「陛下がくれたお花ですから大切にしますね」
一輪だけだと寂しいから何輪かと一緒に髪飾りにしてみましたと
付け加えてから僕を席まで誘導する。するとお茶を淹れてくれた

「朝餉が冷めないうちに頂きましょう?」

今日の朝餉はとてもいい時間になった。昨日の不機嫌はあっと言う間に
直ったけれど、夕鈴に気持ちがなかなか伝わらないのがもどかしい
嘘の無い気持ちが伝わるまで想い続けるのもまたいいのかもしれない






SNS内でリクエストを聞いたら

「思いっきり兎嫁にスルーされて、ベッコベコに凹んで
最後に無意識嫁の何気ない一言か態度でちょっと浮上する陛下
とかが見たいです」

と仰られた方がいましてそれを元に書きました。
軽く解説しますと、陛下が夕鈴にあげようとしていた花は撫子です
花言葉が「いつも私を愛して、純愛、思慕、お見舞い、慕う気持ち
快活、女性の愛」だったので仮題として「思慕」と付けリク主さんに
先行配信した時に「何かいい題名あったら教えてください」と言ったら
「「思慕」が陛下にぴったりです」と返信がありまして
そのままになりました(酷


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