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貴方の音色

【二次元創作SS】【黎翔×夕鈴】【恋人設定】

時系列
「すれ違う願い」→「笑顔の願い」→「貴方の色」


-*-*-*-*-*



 ある日の夕刻、夕鈴といつものようにお茶を飲んだり庭を散策していた
あの枝に込めた想いが伝わって夕鈴は僕の傍にいてくれると言ってくれ
戻ってきていた。夕鈴が一度退宮した時、後宮の女官たち全員、老師が
部屋の片付を命じても決して動かなかったという。

「お妃様はいつか戻ってくる、あのお二方が別々になるはずは無い」

そう言っていたとの報告を夕鈴が戻ってきてから李順から受けた
「いい加減にお二人とも素直になってください」と言う小言と共に。
夕鈴にお茶を淹れてもらいながら今後の事を思案していた
狸達にどうやって「是」を言わせるかと


 「陛下、どうぞお召し上がり下さい」そう言って出されるお茶は
何時も飲んでいるお茶で、このお茶を飲んだ後に夕鈴を抱きしめて
夕鈴の香りを楽しむのが一連の流れになっていて、今日もそうしていた。
夕鈴も慣れてきたものである程度お茶を飲むと自分から僕の傍に来て
くれるようになっていた。

夕鈴を膝の上に乗せ、胸に顔を埋めている夕鈴の髪をクルクルと回して
遊びながら考え事をしていていたら夕鈴に不意に

「陛下、心臓の音が乱れていますよ?」と指摘された。
「え?」思わず聞き返す

「いつも私を膝の上に乗せてくれている時の音色と違います…
 何か考え事をされているのではないですか?」

悲しげな表情で言われるその言葉は……


 陛下が何か考え事をしている時、心臓の音色が少し乱れる。
今日は珍しくその音色が乱れていたから声をかけると、かなり驚かれた
陛下の頬に手を添えて見つめ、心の中で私が陛下の力になれて、この手で
貴方の孤独を癒すことが出来たらいいのにと思う。しばらくそのままで
二人とも動かないで見つめあった。夏の終わり、穏やかな時間が過ぎていき
その時間が過ぎて行くと同時に太陽は茜色に空を染めていった。

夕方に陛下との散策を終えて私は一人で自分の部屋に戻ってきていた。
あのあと陛下はまた仕事と言って王宮に戻って行った。その背中を見つめ
私に何か出来る事を再度考えるけれど出てこない。今の私には陛下が
くつろげる場所を用意してあげる事だけ。

夜になって突然陛下が部屋にやってくる。私はすでに夜着に着替え
眠る準備をしていたから少し驚いた。

「陛下、すみませんお茶を直ぐに準備します…」
「お茶はいらないよ」

そう言って抱きしめられる。陛下も夜着で夕刻よりも鼓動の音がはっきり
聞こえてきた。でもその音は夕刻とは違うやさしい音だった。

「陛下の鼓動が穏やかになっていますね…」陛下に回す手に少し力を入れた
「そんなに音が違う?」
「微かにですけれど、違います。楽しい時、驚いている時、悲しんでいる時
 顔を見なくても今陛下がどんな表情をされているか分かります」

そう言って胸に顔を埋める。こうするともっとよく音色が聞こえる


 夕鈴が僕の胸に耳を当てて音を聞いている。夕鈴の体温が伝わってきた
この時間が永遠に続けばいいのにと思ったけれども、夕鈴を抱き上げ寝台に
移動する。

「僕にも夕鈴の音色を聞かせて?」二人で掛布に入り、夕鈴の胸に耳を
当てて音を聞いてみると、少し早いトクトクという音が聞こえてくる。
ふいに眠気に襲われもっと音を聞いていたいと思いながらも眠気には勝てず
そのまま夕鈴を抱きしめたまま眠った。

夕鈴… ごめん…。もう何に邪魔されても君を離したくない…。

朝方目が覚めると夜眠った時の体勢のままだった。
少し違うのは僕の頭に夕鈴の手が添えられている事くらい。
胸から聞こえてくる音は穏やかでもっと聞きたくなって
自分に引き寄せると頭の上から声が聞こえる。

「陛下…… お目覚めになりました… か…?」
目をこすりながら聞こえてくる声に思わず笑みがこぼれる

「ごめんね、気持ちよくてそのまま眠っちゃった」
「それは構いませんけれど… でも…」
「でも?」
「そろそろ私にも陛下の音色を聞かせて下さい」
そう言って夕鈴が僕の胸に顔を埋めるような体勢になって
「陛下の音色が聞こえます…」夕鈴はそう言うとまた眠りに落ちて行った。
それを聞いて抑えきれない笑みを出来るだけ抑えながら自分もまた眠る
蒼い空が青くなるまでの僅かな時間、夜明けを待ちながらそっと目を閉じた

-*-*-*-*-*



これはSNSでキリ番をGetした方にお聞きしたリクエストSSです。

リクエストは

「夏の終わりを二人で幸せに楽しむ穏やかなほのぼの系の二人」

との事でしたが若干脱線しました(;´Д`A ```



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