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恋の味・続きの続き

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【現代パラレル】

・二人は同じ会社の同僚(黎翔さん部長、夕鈴平社員)です

-*-*-*-*-*

 今日は金曜日。いつもなら嬉しいはずだけれど、今週は気が重い。
先週の終わり部長が女性社員とキスをしていた。
部長は誤解だと言っていたけれど、疑惑が拭いきれなかった。
その数日後の週の初めまた部長が女性社員とキスしているのを見てしまって一人で街を歩いていたら浩大さんに見つかって進められるがままビジネスホテルに一人で泊まった。
朝に目が覚めたらなぜか部長が私を抱きしめて眠っていて、慌ててどうしてここが分かったのかと部長を起こして問いただすと

「僕が夕鈴の居場所分からない訳ないでしょ?」と言われた。

寝起きでさらっとそんな事を言える人がどうしても信じられず、でも寝ぼけ顔でワイシャツの第二ボタンまで外して着崩している部長に思わず見とれていたらキスをされて

「僕の唇は夕鈴だけのものでしょ?」

そう言われて思わず頬を叩いて家の鍵を部長に投げつけて部屋を出た。
……事前清算でよかった。

部長とは会社でも視線を合わせる事も無く、家にも帰れず2、3日友達の家を泊まり歩いていたけれど今日はもういい加減に家に帰らなきゃいけない。
でもどうやってあやまろう。
そんな事を考えながら退社の準備をする。チラリと部長に視線を送ると機嫌が悪いオーラを纏っていたけれどそれ以外は何時もの部長で私の事なんて気にしていないように思える。
心の中でため息を付きながらオフィスの出入り口を出ると廊下で声を掛けられた。


 数日前にホテルの部屋で眠る夕鈴を見ながら自分も夢の世界へ行った。
朝起こされるとどうしてここに居るのか聞かれて答えてその答えに唖然とする夕鈴が可愛くてキスをしたら頬を叩かれてまた逃げられた。
逃げられるのは何回目か…。
自宅の鍵を置いて行ったから暫く家に帰ってきそうに無い。
会社では二人の関係は秘密にしているからうかつに社内で近づけない。
ため息が止まらず、その思いを周りに仕事を押し付ける事で何とか抑えて数日、どうしてこんな事にと思いながら週末こそは仲直りしようと躍起になって仕事を片付け、それが終わると既に夕鈴は退社済み。
またかと思いながら鞄を持って自分も帰る事にした。


 「えっと… 汀夕鈴さんだよね…?」そう声を掛けてきた人は確か同じフロアの男性社員。
でも同じフロアの人としか認識できない。その人は結局はそういう関係の人。
「何か御用ですか?」そう答えると「話があるから屋上まで… お願いできませんか?」なんて言われる
そんな人と屋上で二人きりになれる訳がない。
「残念ですが急いでいますので失礼します」と言いながら逃げた。

エレベーターだと二人っきりになってしまうから階段で下に下りる。男性社員は追いかけてくるから必死に逃げたけれど追いつかれてしまった。

「どうして話も聞いてくれないの!?」

男性社員に掴まれた手首が痛い。それと同時に感じる汚い物に触られたような感触。
伝わる感触が部長じゃない。声も、視線も触れられて嬉しいという感触も無くて全てが部長じゃない。
触られた瞬間悪寒が全身に走った。

「やだ! 触らないで!」

手首を掴む手を放してと抵抗するけれどその手は放してくれない。
「ずっと君の事が好きだった。お願いだから僕の彼女になってください!」「いやよ!」即答した。
「私の好きな人は貴方じゃない!」と言おうとした瞬間に何か音がして自分の手が男性社員から解放されて、別の感触が自分を包み込んだ。

「駄目、夕鈴は僕のだから」

そう言うと部長は私を連れて下へと降りる。
会社を出てタクシーに乗って二人のマンションに戻ってきた。
部長はずっと男性社員に掴まれていた私の手首を握ったままで言葉は無い。
玄関に入ると抱きしめられる

「この間はごめん…。でもさっき告白されてる夕鈴をみて思ったよ…この前の夕鈴もあんな気持ちだったんだね…」

その言葉を聞いて泣いた。子どもみたいに泣いた。私だってあの時の部長の気持ちがはじめて分かった。
でも謝れなくてただ泣く私を部長は優しく抱きしめてくれた。
手首に消毒と言ってキスもしてくれた。でも嫌な感触は拭いきれない。

その後、あの嫌な感触を部長に洗い流してもらった
「こんな事、君にしかしないよ」そう言ってキスもしてくれた。
それが終わるとリビングのソファーで部長に抱きしめられる。

「君を他の誰かにとられるかと思った…」

そういう部長は耳まで赤くてそれを見るとたまらなく愛しくて「ごめんなさい」と言ってまた泣いた。
私だって部長をあの女の人にとられるかと思った。

 泣きつかれて眠った次の日、朝起きるとすでに朝とは言えない時間で部長は隣で寝息を立てている。
二人で同じベッドに眠ったのは始めてかもしれない。部長の頬に手を添えるとくすぐったそうに部長が動く。
この顔、髪、唇、仕草、全てが大好き。部長じゃなきゃ駄目…。
そんな事を思いながらそっとベッドから抜け出した。

朝食の卵は何にしよう? でも何となく今日の卵は甘い卵な気分。
コーヒーも淹れよう。甘さと苦さ。部長とだけの恋の味。
この味からはやっぱり離れられない。


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