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雨のち晴れ 4

【二次SS】【黎翔×夕鈴】【原作寄り】
・夕鈴はバイト終了間近です
・夕鈴がちょっと痛いですごめんなさい

ではどうぞ


-*-*-*-*-*


川に落ちた後の事はあまり覚えていない
ただ苦しくて、苦しくて必死にもがいて川からあがった
川のすぐ傍で倒れているとまた刺客がきて
狙われる可能性があったから岩影で体を休めた

目が覚めたらすでに日が落ちていてこのままの場所で眠る
朝がきて川の水で顔を洗っていたら左腕が痛いことに気が付く
痛いのが足じゃなくてよかった

ゴツゴツとした川原をゆっくり歩く
腕をかばいながら歩くから一日のうちに進む距離は短い
そのうち日差しが強くなってくると洞窟や岩場に身を隠し
夕方、日が落ちてくるとまた歩き出す
夜にはまた身を隠す。何度もそれを繰り返し
ゆっくりゆっくりでも確実に一歩ずつ前に進む
絶対に陛下の元に帰ると強く思いながら


川原を歩いてしばらくすると滝があった
かなり大きな滝で高さもある
このまま川沿いに進むのは無理だった。
この後どうしようか川原で考えていたら対岸に刺客が現れ
小刀を投げつけられた。
刺客が投げつけてきた小刀を思わず拾って森の中に逃げ込む

森の中に木の実がいっぱい生っているのを見て
お腹がすいていた事を思い出した
よく考えたらここ数日川の水しか飲んでいない・・・
追われている事も忘れ小刀で枝を切り落とし、枝に付いた実を食べると
甘酸っぱい酸味が口の中に広がった

この味はどこかで知っている・・・・
あの時の四阿で陛下に言われた
「ずっとそばにいてほしい」という言葉を思い出す
自分はバイトなのに、陛下の傍にずっといられる訳がないのに
でも心の中には陛下のそばに居たい自分がいて
何も言えないかわりに陛下の衣を掴んで、最後かもしれないこの時間を
終わりにはしたくない一心で

”雷神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ”

と詠んでいた。
雨が降れば陛下は王宮には戻れなくなって、その間の陛下は私だけの
ものになってくれると思ったから。

陛下は

”雷神の少し響みて降らずとも我はと留まらむ妹し留めば”

と応えてくれた

雨なんて降らなくても君が望むならここにいると・・・
「本物になるって事でしょ?」そう言いながら私を後宮まで連れて
行こうとしたら後宮の入り口に李順さんがいて・・・
仕事に戻るように説得されていて・・・・

「李順、ちょっと待て」

そう陛下が言って後ろを向いてキスをしてくれた・・・
その時のキスの味が・・・ この楊梅の実の味・・・


――― 帰らなきゃ・・・

陛下の所に・・・帰らなきゃ・・・
でも体が動かない

周りを見渡すとすこし離れた所に大きな樹があって下にぽっかり
穴があいていた今日はあそこで体を休めよう・・・・
少し眠ったらまた歩こう・・・


樹の周りには杜鵑草が儚げに咲いていた・・・



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