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雨のち晴れ 5

【二次SS】【黎翔×夕鈴】【原作寄り】
・夕鈴はバイト終了間近です


ではどうぞ


-*-*-*-*-*

捜索して1日ちょっと

君ならどうするかを考えながら歩いてきた山の中
ようやく森の中で・・・兎を見つけた・・・


大きな木の幹の穴の中君はうずくまっていた
声をかけるとわずかに反応がある


生きていてくれた――

頬に手を添えると体が冷え切っているのが分かる
早く暖めないと危ないと思い外套で夕鈴をくるむと歩き出した




暖かい・・・

暖かくて陛下の匂いがする・・・

でもきっとこれは夢
臨時花嫁も・・・ 陛下のぬくもりも「そばにいて?」と言われた事も
夢から覚めたら朝ごはんを作って洗濯をして・・・
今はこの夢から覚めたくない・・・陛下が・・・陛下がそばにいるから・・・
夢なら本当の気持ちを言っても許されるかしら・・・


森を抜けると浩大が馬を用意していた
夕鈴を馬にのせ王宮へと走り出す。すると同時に雨が降ってくる
走りだしてしばらくしたら夕鈴がか細い声で「陛下・・」と呼んだ
思わず馬を止めると夕鈴はそのまましゃべりだした
「陛下・・・ごめんなさい私あの時の四阿で陛下に言われた言葉に
返事をしていませんでした・・・」

「あの時って本物にならないかって聞いたとき?」

「そうです・・・私あの時何も言えなくて・・・・・・本当は・・・本当は・・・」

その後の言葉を待ったけれど、言葉が紡がれる事はなかった
王宮につくと夕鈴を後宮へと連れて行き
侍女や侍医にまかせると李順の元に行った

「・・・陛下、おかえりなさいませ。無事のご帰還なによりです・・・」
「李順・・・夕鈴を・・・」
「おまちください陛下。夕鈴殿を正妃にとおっしゃるのでしょう?
それがどんなに困難な道かお分かりですか? 立后するまで刺客も
増えるでしょうし、何より貴族たちが黙っておりませんよ?」
「あぁ・・・誰がなんと言おうと夕鈴は正妃にする・・・」
「しかたありませんね。この後の対策を練りましょうか・・・」

窓にこつんと小石を投げつける音がする
「浩大・・・なんだ・・・」

赤い目が浩大を獲物を捕らえる目で射抜く

「おっとまだ俺を殺さないでくれよー? 面白い情報持ってきたんだ
今回の俺の怠慢の処分はそれからでも遅くないと思わない・・・?」
「ふうん・・・ 一応聞いておくか」
「そうこなくっちゃ」

夕鈴がお茶を一口飲んで川に落ちたのは
お茶に睡眠薬が入っていたせい。本当は馬車に乗った眠る夕鈴を
襲撃する・・・ という手はずだったらしい・・・
そして夕鈴が持っていた小刀から刺客の雇い主が分かった
「まったく、手荷物から身元がばれるなんて隠密失格だヨねー」
そう軽い口調で浩大は言う

少し間を空け「で、俺の処分は?」と力のない声で言った

「処分? そうだな・・・一生私の"物"となって働いてもらうか」
「・・・・その言葉をなぜお妃ちゃんに言わないかねぇ・・・」
「浩大、死にたいか?」
「いえ!いいえ!! 冗談です冗談! お妃ちゃんの警護に戻りまス!」
そういうとひらりと身を翻して消えていった


「さて李順、楽しい話の続きをしようか・・・」
そう言って狼はクククッと笑った


 李順が用意した書簡を片付けてから深夜夕鈴の元に行った
侍医によると夕鈴には脱水症状が見られ、長時間歩いていたため
足の裏の怪我が酷い事。左腕に少々打撲が見られるが
問題は無いと言われた

ほっと胸をなでおろし人払いをした
眠る夕鈴の表情は険しい・・・
頭をなでていると眠気が襲ってきた
今日はこのまま手をつないで眠る事にした
明日には晴れ渡る笑顔を見られると信じて・・・



朝、目が覚めるとまだ眠る夕鈴に白湯を飲ませた
「ねえ夕鈴・・・ そろそろ笑って・・・?」

数日後、政務室で一つの書簡が渡される
「・・・どうなさいますか?」
「・・・・そうかもう七夕か・・・」

判子を押し書簡の山へと返すと急に夕鈴が恋しくなってきた

「・・・・すこし休憩」

そう言ってフラフラと政務室から出る王を止めるものは誰も居なかった


眠り続ける夕鈴の元へと行く
森の中で見つけた時とくらべて
表情がだいぶやわらいできているのが救いだった。

白湯を飲ませると抱き上げて庭へと向かった。
あの日、あの時の四阿へ・・・

四阿にくると急に空が曇ってくる
あの時と同じかと少し苦笑いをした
しばらくそこにいると雨が降ってくる
夕鈴の髪先を指でくるくる回しながら声を掛けてみた
「夕鈴・・・君の希望通り雨が降ってきたよ」
そう言いながら夕鈴にキスをした
「ん・・・陛下・・・」
「夕鈴!?」
「私・・・私陛下にお茶を・・・入れて・・・あげたい・・・です」
そう言うと夕鈴はまた眠りへと落ちていった
「うん・・・僕も早く君が入れてくれたお茶が飲みたい・・・」

あの日のように雷雨のあと空が晴れ渡る

あの日と違うのは夕鈴がまだ眠ったままだという事と
空に七色の橋がかかっていた事・・・


あの日の四阿 6へ
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