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囚われの 夕鈴視点


【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【未来夫婦】

-*-*-*-*-*


最近陛下はお仕事が詰まっているようで朝早く部屋を出て行き夜遅くに部屋に戻ってくるという生活をしていた。

私も私でいろいろと予定が分刻みで入れられてしまっていて政務室に行くことも出来ずに夜、眠る為だけに帰ってくる陛下を迎えて眠り朝は一緒に朝餉を取る時もあるけれど、大体は朝起きると既に陛下はもう政務に出た後と言う事が多い。

折角夫婦になれたというのにこれなら臨時妃を演じていたときの方が陛下との時間が多かった気がするけれど、私からは何も言えない。
朝起きて陛下を見送り、その後夜の陛下のお帰りを待つという日々が幾度となく繰り返されて行った。


 今日も陛下は夜遅くに帰ってきた。
「陛下、お帰りなさいませ」
「うんただいま」

そう陛下は一言言ってすごく疲れた様子で寝台に倒れこんだ。
長椅子ではなく一目散にそっちに行ったからよっぽど疲れているんだと思って隣に座って「お疲れ様でした」頭を撫でながらそう言ってみると私の腰の辺りに陛下が抱きついてきた。特に気にせずにそのまま陛下の頭を撫でていた。

「うぅ… 李順と周宰相ひどい… 頭を休める時間もくれない…」
「ふふ、今日はゆっくり休んでくださいね?」
「うん…」

陛下はそういいながら私のお腹の辺りに頭を摺り寄せる
その動きにあわせる様に頭を撫でながら陛下の髪ってサラサラ…
なんて思っていたら急に天井が目に入ってきた

「へいか!?」

お腹の辺りにあったはずの頭が今は私の胸の辺りにある。
さっきまで腰掛けて座っていたはずの寝台に押し倒されたんだと理解するのにそう時間はかからなかった。

陛下は私の胸に顔を摺り寄せている。いたたまれなくて抵抗しようとしたけれど、今度は陛下の頭の動きが止まってどうしたのかと思ったら

「はぁ… 癒される…」

そんな事を大きな深呼吸の後に言われた。恥ずかしさに耐えながら頭を撫でるとそのままの体勢で寝息が聞こえてきたから寝台の帳を下ろしたり、明かりを消そうと思って腕の中から抜け出そうとしても陛下の腕は私を離してくれない。狼に囚われるってこういう事を言うのかと内心思いながらため息をついた

暫くしてようやく陛下の腕が外れたからそっと隣を抜け出して明かりを消し帳を下ろす。何も掛けないで眠るのはまだ流石に寒いと思って掛け布を掛けてあげて陛下から少し離れた所に横になるとモゾモゾと動く音が聞こえてきてまた陛下の腕の中に囚われた。こうなった時は陛下が朝起きるまでこのままで居るしかないと分かっているから陛下の胸に耳を当てながら眠る事にした。


 朝、僅かに私を拘束する手を強められて目が覚める

「んっ… 陛下… おはようございます…」
「うんおはよう…今日もいい天気だよ…?」

陛下の胸に埋た顔を少しだけ動かして耳を胸に当てる
この音が心地よくてもっとこのまま眠っていたくなる。
でもそろそろ起きなくてはいけないから目をゴシゴシと両手で擦った
でもその音が名残惜しくてまた陛下の胸に擦り寄ってみた。

「さて起きようか… そろそろ君の侍女がくる…」
「はい…」

後ろ髪を引かれながらお互いから離れて寝台の帳を開けて身支度に行く。
陛下自らが「起きよう」なんて言うときは忙しい時期だけ。
仕事が詰まってない時は「もっと眠っていよう」なんて言う事が最近になって分かった。

唇に紅を挿していたらふと最近陛下とキスをしていない事に気が付いた
でも忙しい時期だから我が侭なんて言えない。でもお願いしたらキスをくれるかもしれないという淡い期待を胸に陛下と食事をした。

陛下にお茶を淹れて食事を取り終わると陛下はすぐに仕事に行こうとしていて、陛下に手を引かれながら部屋の入り口まで移動する。

片付けの女官達が居るから陛下は甘い一言を残すのを忘れない
でもそれは私の気持ちを煽るだけとは陛下はきっと気付いていない。

「夜までのしばしの別れだ… 寂しいが待っていて…」

腰の辺りを軽く拘束しながら少し髪をすくって口付けを落としてそれが終わると腕の中からそっと離して去ろうとする。
今を逃したらキスは夜までお預けになってしまうと思うと寂しくてキスしてほしくて陛下の袖をそっと掴んでくいくいと引っ張った。

「あの… 待っていますからキスしてください…」

勇気を出してそう言うと満面の笑みの陛下からキスを送られる
「これで夜まで待てる…?」そう囁やかれてコクコクと頷くと陛下は颯爽と部屋から出て行った。
キスの後味は何時もの楊梅の実の味だと思うと顔がもっと赤くなってきて思わず顔を袖で隠した。

陛下は多分、冬に下町で食べた飴に込められた言葉の意味を知らない。
でも教えてあげない、私の貴方の色に染められて、永遠に貴方に囚われたままの心を少しだけ自分の自由にしていたいから。

後ろを振り向くと笑顔の女官さん達がいる。
自分のした事を思い出すと恥ずかしくていたまれなくなったから、今日の予定を確認しに部屋を後にした。


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