FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ある夜の話

*本誌ネタバレ含みます


このお話の後半は「夜闇の中で」に少し関連付けしてありますので合わせてお読みになるともう少し楽しめるかと思います





【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【恋人設定】

-*-*-*-*-*

冬のある日、政務が詰まっていて私との時間がなかなか持てないと言っていた時期に陛下はかなり不機嫌な顔をして夕方、私の部屋までやってきた。

この時間帯に陛下がやってくる事はまず無いから一瞬驚くけれど、直ぐに笑顔で出迎える。

「陛下お帰りなさいませ。お茶の準備をいたしますね」
「うんお願い」

声をかけても何処と無く不機嫌なままの表情の陛下は珍しい。背もたれに寄りかかりながら少しだらしなく座っている陛下にそっとお気に入りのお茶を出すとほっとした表情で飲んでいて、私は長椅子とは別の椅子に座り陛下の話を聞きながらお茶を飲んでいた。

「ねえ夕鈴、寒くない?」
「寒いですか? 寒いならもう少し火鉢をそばに…」

飲んでいた茶杯を置き、椅子から立ち上がると、陛下に手を掴まれてぐいっと引き寄せられてしまい陛下の体の上に倒れ込む

「へいか!?」

あわてて起き上がろうとすると、さらに力を込めて抱きしめられた

「寒いでしょ?」
「寒くないです」
「暖めてあげるよ?」
「ですからそんなに寒くないです」

陛下の胸に手を付いて上半身を起こそうとすると頭の後ろに陛下の手が添えられる

「……夕鈴、君は僕に暖めて欲しくないの?」

言葉が出なくて首を横に振り、それを見てクスリと笑った陛下は 「可愛い…」と言ってから大きく深呼吸をして私を更に引き寄せた。
陛下の腕に捕らえられて身動きが取れなくて、自分の大きすぎる心臓の鼓動を聞きながらそのまま大人しくしていたら陛下が眠りに落ちる寸前「君は… 僕のもの…」なんて囁かれる。
その言葉に驚いて顔を上げようとするけれど、それを許してくれない手がまだ後頭部に添えられている。
そしてこの後本格的な寝息が聞こえてきて、この体制は陛下の目が覚めるまで続いた。

陛下が起きたのは夕餉が近くなった時間だったから一緒に夕餉を食べる事になった。眠ってすっきりしたのか陛下は機嫌がいい。食べ終わると陛下はまた仕事と言って王宮に戻ったから私は湯浴みに行くことにした。

お湯に浸かりながら手足を伸ばして強張った筋肉をゆっくりとほぐす。今日陛下が部屋に来た時、老師の所に行って帰ってきた所で丁度少し眠ろうと思っていた所で、少し疲れ気味だった陛下は眠っていたけれど、私は陛下に抱きしめられて落ち着かなくて結局眠れなかったから今日の夜はゆっくりと眠れそう。そんな事を思いながら部屋に戻ると陛下が居間で待っていた


「夕鈴お帰り。予想以上に仕事が速く終わったから戻ってきたんだ…」
向かい合わせに、目の前に立つ陛下の顔を見上げて、整っている顔… なんて見とれてしまって顔が赤くなった。

どうしたの? 
いえ何でもないです

毎日繰り返される陛下との何気ない会話とお茶の時間。 私と陛下の日常、それは今日も長椅子の上、二人隣に座りながら過ぎていく時間
そんな安心するこの時間が眠気を誘ってくる。「陛下… 陛下は…」そんな事を言いかけた後の記憶が無いから、私はいつの間にか眠ってしまったらしい。



 夜、仕事を無理矢理片付けて夕鈴の部屋に行ったら丁度湯浴みから戻ってきた所だった。
何時ものように繰り返す、眠るまでの僅かな夕鈴との時間の途中、疲れていたのか夕鈴は僕にもたれかかるようにして眠ってしまった。
夜着の上に上着を羽織っているとは言え、このままだと風邪を引くと思って寝台に運ぶ

夕鈴に掛け布を掛け部屋の明かりを消してから帳を下ろし、最後に中腰になりながら頭を撫で、寝顔をじっくりと見る。
自室に帰ろうと立ち上がったら気付かない内に撫でていなかった方の手の袖を夕鈴に握られていた。

「ねえ夕鈴、袖引っぱっているよー このままだと一緒に寝るよー?」

声をかけても手が離される事もなく、ただただ時間だけが過ぎていく。
段々体が冷えてきてしまったからそっと夕鈴の隣に潜り込んだけれど、この後僕はこの行動の過ちに気が付く事になる


 袖を離してくれないから夕鈴の布団に潜り込む。最近忙しかったから夕鈴と一緒に眠るなんて何時以来だろうと思いながら自分も眠ろうとした。
所が全然眠れない。 昼に長椅子で眠っていたからその分寝つきが悪いのは分かるけれど、夕鈴の寝息が、僅かに動く体、その全ての仕草に心を揺さぶられて寝付けない。
このまま朝になるのはまずいと思って掴まれていた袖を見るけれど、まだ袖を掴まれたままで身動きが取れない。どうしようかと考えているとふいに夕鈴の手が離れたから寝台から出ようとした。
すると今度は「んっ…」何て言いながら夕鈴の片手が僕の背中に回され、抱きしめられるような形になった。
予想外の出来事に動けないでいたら夕鈴の足は僕の足に絡み付き、おまけに僕の胸に顔を摺り寄せてくる。


―――もうやめて…。


そしてそのままの状態で眠れない夜を過ごしていたら明け方に遠くで何かが倒れる音と剣の音が聞こえてきた。
ため息を付きながら今度こそ、そっと夕鈴の寝台から抜け出し悶々としたこの気持ちを侵入者に向ける事で解消しようと王宮の庭に行くことにした。
庭に行くと既に掃除は終わった後でその場に居た浩大達に事情を聞き、遅れて到着した警備兵を叱責していたらもう眠る時間は無くなってしまい
このイライラをどう解消しようか考えながら夕鈴と朝餉を取るために後宮に戻る事にした。


スポンサーサイト

訪問者

検索フォーム

RSSリンクの表示

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。